[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ33)

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「ちょっと、コンビニ寄りたいな。」

そう言ってコンビニに寄る。待っててと私が一人で降りると、心配だからと大毅も一緒に降りる。

ソラ『私送ったら、二人で絶対コンビニ行って、パピコ半分こしなさいよ』

ソラのアドバイスに論理性なんてない。

それは恋と同じ。

でもソラは核心をつくから、絶対に従う。

さっき大毅に口を滑らせた相談は、もちろん大毅のこと。

　

ちゃんと、私が大毅のこと好きなの、

大毅はわかってないと思う。

　

パピコを手にすると

重岡「お、ええやん。」

大毅が嬉しそうにもう一個取ろうとした。

「え。」

重岡「え？」

「半分こしよ。」

重岡「あ、そういうことか。ごめん、気が利かんくて。」

「…ロマンチストなんだから、そういうところちゃんとわからないと。」

重岡「え、俺ロマンチスト？笑

どこがやねん。」

大毅は自分のこと分かってないよね。

…ロマンチストだよ。私にはもったいないくらい。

彼女のわたしが自分で言うのは恥ずかしいけど、

大毅は彼女にゾッコンなタイプ。

そういうところ、かわいいよね。

本人には目の前にして言えないけど。

バラ100本とかそういうのじゃなくて。

思いも寄らないベクトルのロマンチスト。

だから、こっちもドキドキしちゃう。

大毅の行動に。いちいち。

パピコを買い終えて車の中に戻って休憩。

「わたしが帰りは運転しようか？」

重岡「いいよ。バイト終わって疲れているのに危ないし。」

わたしが半分渡すと、大毅がありがとうと言う。

　

　

「…こうやって、なにもかも半分こできたらいいな。」

大毅はパピコを吸いながらこっちを向く。

「楽しかったこととか嬉しかったこと。

笑い合ったこととか。

悲しかったことも苦しかったことも。」

でも、どうしたらそれを半分こできるのかなんてわからない。

大毅にはたくさん迷惑をかけてきた。

大学進学の時も

結局、大毅との喧嘩も

大毅が折れて一緒に上京するという結論に終わった。

ソラと飲んだ時も、次の日大毅に信じられないくらいの長時間説教されて

その後わたしの目の前にビールが来ることは無くなった。

それも、大毅が気をきかしてくれるから。

　

恋人とはいえ、全く気を使われない関係も嫌だけど。

わたしは、大毅とあるべき姿で一緒にいたいと思う。