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私がいつも通り助手席に座ろうとすると
重岡「お前もソラちゃんと一緒の後部座席に座りや。」
と言われた。
そっか。
私の常識のなさに自分自身呆れながらも
大毅が周りを見るのが上手いからそれに毎回助けられている。
私が助手席のドアを閉めて、後部座席のドアを開ける。
ソラ「お久しぶりですー。大毅くん。」
重岡「久しぶりー。Aが酔った時以来やな？」
ソラ「そうだね。あの時はほんと。」
重岡「いやー、ごめんな。ご迷惑をおかけしました。」
ソラ「こちらこそ。Aを酔わせてしまってすみませんでした。」
彼氏感が出てて嬉しくなるとともに、自分の醜態を掘り起こされて恥ずかしくなる。
私が後部座席のドアを閉めると、大毅がソラに住所を聞く。
ナビを入れて出発すると、ソラは私の方を向いてニヤッとした。
「え、なに」
ソラ「いやぁ？大毅くん聞いてよ」
重岡「ん？」
大毅は安全運転だから必ず両手運転。
片手だからといってドキッとするわけでもないけど。
前に大毅は運転上手くなりたいって言ってたなーなんて大毅の方を見て思い出す。
ソラ「シフトの休憩時間中さ。絵描いてたの。A。」
うーわ。
その話するの？恥ずかしいんだけど。
「やめてよ」
ソラは全然言うことを聞いてくれない。
ソラ「最初何書いてんだろうと思ってたんだけど
よく見たら、大毅くんだった！」
「もう！ソラやめてよ、恥ずかしい。」
ソラに見られてるとは思わなかった。
重岡「ええー、まじで」
ソラ「吹き出しつけてさ。」
「ねえ！ほんとにやめて」
私がソラの口を自分の手で塞いだら、ソラはニヤッとこっちを見る。
重岡「えー、聞きたい聞きたい。吹き出しで俺なんて言ってたん？」
大毅がめちゃめちゃ聞きたがっている。
「何も描いてないから！大毅は運転に集中して。」
重岡「もうすぐ着くで。」
あっという間にソラのマンションに着いた。
ソラ「じゃあ、正解は本人の口から教えてもらいな？
大毅くん本当にありがとう。」
重岡「いえいえ、バイトお疲れ様。」
「覚えとけ。おやすみ」
ソラ「おお、こわ。おやすみ」
ソラは大毅にお礼を言ってエントランスに入っていった。
重岡「ええ子やな。」
「うん。よく相談乗ってもらってる。」
重岡「え、なんの？」
「秘密。笑」
重岡「ハハ、何やねん」
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作者名：きい
| 作成日時：2021年8月1日 20時
