[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ29)

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29 藤井ページ29

Aがドラッグストアでシゲに腕を絡めた時は正直ビックリしたけど。

…あれは、見せつけにしか見えへんかった。

警戒してたんかな。俺全然Aに対してそういう感情持ってへんけど。

…もしかして、シゲが嫉妬しないようにしてたってこと？

どんだけA、シゲのこと繋ぎ止めておきたいねん。

完全に両思いなんやから、そんなことせんでもシゲはAから離れていくはずないのに

藤井「まあ、俺は小学生の時のAとシゲしか知らんし。

二人のことは望の方が知ってるやろ。」

そう言うと、望は首を傾ける。

小瀧「俺は、二人の関係が全然わからへん。」

藤井「え、恋人やん。」

小瀧「そういうことちゃうくて」

望は、二人の関係について少し心配らしい。

小瀧「お互い想いあってるのに、お互いが探ってる感じ？

なんか、本音を言い合えてない感じ。」

藤井「あー、めっちゃわかる。」

小瀧「え、わかる？」

共感できたことに対して少し嬉しがる望やけど。

俺はそのドラッグストアの出来事と、シゲの家に泊まった時のことを思い出した。

『…ごめん。神山くんの話は大毅には言わないで。お願い。』

『…私だって、シゲのこと大事に思ってるよ。

…大毅以上に。』