[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ25)

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「…ごめん。藤井は小学校の後同じ中学じゃなかったから分からないのはしょうがないんだけど。」

今、大毅と神山くんを会わせるわけにはいかないの。

藤井と話したことでさえ嫉妬する大毅。

神山くんに会ったっていう報告さえできてないんだから、四人でなんて会えない。

それに高校一年生の時。

私は誰にも自分の気持ちを打ち明けなかった。

もちろん大毅にだって。

…それは、神山くんが引っ越すことも知ってたし

…大毅が私のこと好きなのも薄々感づいていたから。

神山くんに告白したところで、遠距離になることだってわかってたし

大毅がそれで悲しむのも、知ってたから。

…私は最低な人間だ。

　

だけど今は、大毅のことはちゃんと好きだから。

この”好き”という気持ちは嘘じゃない、真実だから。

だからこそ、大毅を繋ぎ止めておきたいの。

今までの5年育まれてきた愛が壊れる瞬間が来たくないから。

藤井「…A？」

藤井に心配そうに声をかけられてビクッとする。

「…ごめん。神山くんの話は大毅には言わないで。お願い。」

藤井「え、どういう…？」

「ちゃんと。自分から言うから。今度話す。」

藤井「…ようわからんけど、わかった。」

私がため息をついた時。