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24 藤井 ページ24

藤井side



藤井「よっ」



俺に気づいたAは、おおと、びっくりしながら汗拭きシートを買い物カゴの中に入れる。



藤井「もう、汗ベトベトな季節やな」


「ほんと。大毅がめっちゃ汗っかきなのにさ


汗のキラキラは男の象徴!とか言っちゃって。」



だから汗拭きシートを常備するように買うらしい。






アイツらしいわ。頼もしさがある。








藤井「そう言えばさ、神ちゃんっておったやん?」



「え…、あぁ。神山くん?」




Aは一瞬びっくりした顔を向けながらも、頷く。

なんやろ。

俺が口にする次の言葉を伺ってる感じ。





藤井「こないだ連絡来たけどさ。



アイツAと同じ会社なんやって?」





「…そうそう。そうだけど。」





高校の時に、神山智洋が俺の高校に転校してきてびっくりした。

金髪でピアスしてる、ヤンキーみたいな見た目やったから。


向こうが俺に気づいて話しかけられたけど

正直小学生の時の神ちゃんは全く覚えてない。



高校の時はいつも一緒にいるくらい仲が良かった。


俺自身、高校入学のタイミングで大阪に引っ越すことになったから、周りに全く知ってるやつおらんかった。






藤井「すげぇ偶然よなー。



俺はシゲと同じ会社で、Aは神ちゃんやろ?



まあ、俺正直小学校の神ちゃん全然覚えてへんけど。




高校の時に神ちゃんが俺の高校に転校してきてさ。」







Aは栄養ドリンクも入れながらそうなんだーと、相槌を打つ。

心なしか、その相槌を、俺が喋り終わるよりも早く打つ。





藤井「今度四人で会おうや。」







そういうと、Aは血相を変えて




「ダメっ」




そう俺に訴えた。









藤井「えっなんで?」


突然のことすぎてよくわからんし


Aがこんなに必死になっている理由があんまりわからん。





藤井「まあ、神ちゃんのこと、シゲもAもそんな覚えてないか。


でも、同じ小学校やったわけやし。


てか、同じ中学校やし同じマンションやろ?



話す機会とかなかったん?」








俺が聞いても、Aは動かすその手を止めない。






藤井「おいおい、どんだけリポD飲むねん。」




俺がAの手首を掴むと、Aはハッと我に返ってカゴに入れすぎたドリンクを戻す。








 

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作者名:きい | 作成日時:2021年8月1日 20時

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