20 小瀧 ページ20
小瀧side
小瀧「ごめん、待った？」
俺がシゲの席に座るとシゲはすぐに立つ。
重岡「待ったやん。小瀧んち行こうや。」
俺が周りを見ると、お客さんが全員俺の方を見ていた。
そういう気遣いがシゲにはある。
何も言わずさりげなくそういった優しさを出すところが、男らしくてカッコええ。
俺の家に入って普通にくつろぐシゲ。
小瀧「今日Aは？」
重岡「アイツは授業。」
小瀧「え、必修ないやん。」
重岡「ないけど。単位ギリギリで卒業したくないねんて。
取らんでもええ授業取ってる。」
小瀧「真面目やな。」
お茶を渡すと水がええなんてわがまま言うから
お茶は自分用、もう一つのコップに水を注いだ。
小瀧「で？話って何」
俺が聞いた瞬間、シゲは急に暗くなる。
重岡「もう辛いねん」
始まったわ。
シゲちゃんツラツラモード。
重岡「一緒に住んでてさ。
バイト終わりも夜シフトやったら迎えに行くやんか」
小瀧「そうやな。」
重岡「俺は、めっちゃ好きなんよ。
Aのこと。」
小瀧「知ってる」
結構めんどくさいねんけど。
Aはこいつを毎日どう捌いてるのか気になる。
重岡「でも、アイツに振り向いてもらえへん。」
でた。
酒飲んでもないのに、酔ったような言い方して口を尖らせるシゲ。
小瀧「なんやねん。
付き合ってるのに振り向いてもらえへんって考えが俺には理解不能やわ」
重岡「しょうがないから付き合ってると思うねんな」
なんでそういう思考回路になるねんな。
ホンマ、シゲって俺の前とAの前とで全然態度がちゃうから困る。
俺の前やと全然自分に自信ない。
小瀧「それやったら５年も６年も付き合ってないやろ」
重岡「いや、Aやったら付き合う。
多分、俺が別れようって言うまではな」
小瀧「言うん？」
重岡「言うわけ」
小瀧「なんやねん。」
シゲの話は終わりがないし、俺も話を聞いてて疲れるから困る。
でも、俺が話を聞いてあげないと、ゼミでも面倒になるしここで消化しきらなあかん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きい
| 作成日時：2021年8月1日 20時
