[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ19)

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19 小瀧ページ19

小瀧side

ソラ「それより、小瀧はソラ派なの？それともA派？」

小瀧「は、なんの話。」

ソラ「前にお客さんに言われた。

どっちと付き合ってるんですかーって。」

小瀧「イケメンって、罪やなー」

ソラ「口じゃなくて、手を動かせ。」

はいはい、相変わらずやなソラは。

俺がブラックコーヒーを持っていくと、シゲは携帯から顔を上げてありがとうと答える。

重岡「めっちゃ、賑わってんねんな、ここ。」

小瀧「お客さんとしてきたの初めてちゃう？」

重岡「初めて初めてー。みんな小瀧ファン？」

小瀧「ま、俺が一番売り上げ貢献してるかも」

重岡「やかましいわ。はよ向こう行けや」

俺が戻ると、ソラが心配そうな目をする。

ソラ「大毅くん、なんか言ってた？」

小瀧「何かって？」

ソラ「いつもと変わった様子なかった？」

小瀧「別に、普通やで」

そう言うと、ソラはならいいんだけどって、意味深なことを言う。

ソラはAと同じサークルで、一緒にこのバイトに応募してきた。俺と同期という位置になる。

もしかして、Aの様子がおかしかったんかななんて思うけど。

ソラ「大毅くん意外と心がガラスのハートだと思うんだよね。」

小瀧「なんでわかんの」

ソラがシゲの本心を言い当てたことにびっくりしながらも怖さを感じる。

ソラって、恋愛の達人？

シゲと一回しか会ったことないって言ってたはずやのに。

ソラ「結構小瀧に惚気たり、相談したりしてる？」

小瀧「こわ。エスパー？隠しカメラある？」

ソラ「あるわけ」

ソラは神妙な面持ちでコソッと俺に言う。

ソラ「Aと昨日話したんだけど、いつもと何かが違った気がするんだよね。」

小瀧「何かって？」

ソラ「んーわかんない。」

　

　

流石のソラでも、Aの本心はわからなかったようで。

まあ、どうせシゲが勝手にAに不安になってるだけやと思うけど。

俺の前ではAは"シゲのこと好き好きオーラ"を全く出さないけど

シゲの話を聞いてると、やることやってるし

Aもちゃんと言葉にしてシゲに愛情を伝えているから

今日もノロケを聞かされるだけやと思う。

ソラ「まっ、大丈夫だとは思うけど。」

シフト交代の時間が来た。

ソラも制服をビシッと着こなしてレジへと向かう。

俺は裏に周り、バイトのタイムカードを切る。