【赤】花火の魔法にかかってしまえ (ページ6)

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みんなの元に戻ってきた時には、スーツ姿の濱ちゃんがともくんと流星と楽しそうに話していた。

「あ、濱ちゃん。」

濱田「お、A。久しぶりやん。

ちゃんと朝ごはん食べてるか？」

「食べてるよ。お母さんみたい。」

エヘヘと笑って

濱田は私の頭に手をポンと置いた。

　

　

濱田「ここで！重大な発表があります！」

藤井「なになに」

濱田「今日面接受けた会社から、内定もらいましたあああぁぁぁぁぁー！！！！！！！！！」

神山「おぉ！おめでとう！！！！！」

藤井「えええ、４月から社会人！？濱ちゃんが？」

小瀧「なんか、想像できひんのやけど笑」

神山「脳年齢が一番低いのにな。」

結構失礼なことを言ってるともくん。

濱田「お前ら、俺が日本の景気をよくしてやるからな！待っとけよ！」

　

　

口だけは達者な濱ちゃんは相変わらず元気だけど。

　

みんな、それぞれの未来があることに淡い期待とちょっとの不安が押し寄せる。

　

　

重岡「じゃ、みんな揃ったし。

花火しようぜ。」

ともくんがろうそくに火をつける。

重岡「ほい、A。」

「あ、ありがとう。」

手持ち花火を渡してくれた大毅は、そのまま蝋燭の火に先端を近づけた。

重岡「おぉ！めっちゃ綺麗！」

蝋燭は一つしかない。

次々にろうそくに近づいて、私の順番は最後になった。

重岡「はい。」

ふと、大毅が私の隣にやってきて、火を分けてくれた。

大毅の方を見上げると、大毅がふふッと笑った。

重岡「Aは優しいからな。

優しすぎて損する時あるよな。」

意外と、そういう細かいところまで見てくれている大毅に、また心臓が締め付けられる。

大毅に会ってから、何回心臓の音をき聞いたんだろう。

普段ならしない緊張も、手持ち花火に伝わって、なかなかうまく大毅からの火をもらえない。

　

苦戦してたら、大毅の花火が弱くなってしまった。

重岡「あぁ、ごめん。俺の優しさが仇となった。」

そうハハッと言って、大毅は新しい手持ち花火を用意した。