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「あれ、濱ちゃんは?」





神山「あぁ、ちょっと遅なるって。






濱ちゃんは就活やからな。」




「そっか。大変だね。」





神山「今日が最終面接って言ってた。第一志望の。」







「そうなんだ。」









ともくんと流星と大毅と私は大学三年生。



濱ちゃんだけ一つ年上だけど


そんなことを微塵も感じさせないくらい


一見頼りない濱ちゃん。









 





高校の文化祭の時、棚の上にある大きい箱を取ってもらおうと濱ちゃんにお願いしたら




取った瞬間に手が滑って段ボールの中身全部こぼれたこともある。


 









そんな濱ちゃんももう4年生。


まさかの想像すらできなかった銀行志望で

去年そんな話をした時に


濱田『俺が日本の経済を回すで!!』


って言っててみんなが濱ちゃんだけには経済を任せたないわ!って言ってたのを思い出す。









ともくんはダンサーになるために、


大学受験で辞めていたダンススクールにまた通い出して


色々な大会に出場しては優勝したりできなかったり


予選から敗退になったり通過したり


そうやって努力して今度アメリカ大会に出場するらしい。


確実に腕が上がっていることが実感できて、楽しんでいる。









 








流星はモデルと俳優志望で、たくさんオーディションを受けては落ちてを繰り返して


最近専属モデルに選ばれたらしい。


まだまだ活動の拠点は大阪だし、全然無名に等しいけど


事務所に所属していて、色々なドラマに出ていて確実にスキルが上がっている。









大毅は教員志望。



流星と一緒に俳優の仕事をしていたけれど、

個別指導のアルバイトを始めたときに教えることの楽しさを覚えたのがきっかけで

所属していた事務所を辞めて教員免許を取るために必死で頑張っている。









 









 






みんな夢がある。


確実に大人になっていって

みんな違う夢に向かって頑張っている。







みんなそれぞれ違う道を進んでいても


年に一度集まるこの時間が、私は好きだ。



 






落ち着くのその一言で片付いてしまうけど




私はこの時間が一番好き。



一気に私たちの空気が高校時代のあの頃に戻る。









それだけじゃない。









重岡「じゃ、始めよう。






A、一緒に水汲みにいこ。」






「あ、うん。」









大毅と話す何気ない会話が、私の心臓をキュッとさせる。

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作者名:きい | 作成日時:2021年7月5日 21時

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