【赤】花火の魔法にかかってしまえ (ページ15)

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B ページ15

重岡「でも、嬉しいな。」

大毅がこっちを見て笑う。

…やっぱり、私は

濱ちゃんとかともくんとかに向ける悪戯顔な大気も好きだけど

優しい爽やかな笑顔を向けてくれる大毅が一番好きだ

重岡「ほら、俺らってさ

織姫と彦星みたいやん？」

「…え？」

　

　

その言葉だけで、体温が上がりっぱなし

二人きりになってからずっと体温の上昇が単調増加だ。

重岡「高校の時は毎日会ってたし、毎日一緒に通ってたのにさ

大学生になったらAが東京行っちゃって

全然会えへんやん。」

「…ごめん。」

重岡「いや、謝ることちゃうから。

だから、なんかさ。

俺毎年、楽しみにしててん。七夕。

年に一度だけ、Aと会える日やから。

ずっとソワソワしながら

A、電話でてくれーって、心から願ってAに連絡してんねやんか。」

　

　

　

これは…期待してもいいやつですか？

私はずっと、大毅からの連絡をソワソワして待ってる。

これは

私と気持ちが同じってことでいいですか？神様。

重岡「彦星も、織姫に対して、そういう感情抱いてるんかなって思って。」

「そ、そういう感情って…？」

　

　

　

　

期待するんだけど

続きが気になるから、食い気味で聞いちゃう。

　

　

重岡「んー？

もっと会いたいなーっていう感情？」

だけど大毅は、その先はきっと考えてなくて

私だけなんだ。

この気持ちをぶつける場所がなくて、項垂れる。

重岡「俺らは、織姫と彦星ちゃうな。」

えぇ…。

私の気持ちも知らないでそんなこと言っちゃう大毅は罪だ。

織姫と彦星は、お互いを想いあっている象徴。

それを否定されちゃうと

なんだか悲しい。

　

私だけ、舞い上がってるのかなって。

　

　

　

　

　

重岡「だって、俺らこれからは年１じゃなくても会えるやん？

お盆も帰ってて

初詣も一緒に行けるとか、最高やん！」

　

　

ずるい。

ズルすぎる。

私の気持ちをどん底に落とした後に

すぐに掬い上げて

もっと気持ちを高めさせる大毅が、ずるい。

恋のジェットコースターだ。