烏野2年の孤爪さん その5

カラスが196羽 ページ33

見守り隊side






薄暗く、人が多い通路を通り、次は熱帯魚のコーナーを通る2人




...孤爪ちゃん、また人の波に流されるんじゃねぇか？？とヒヤヒヤする俺らをよそに、当の本人は水槽に夢中だ








『こっちのお魚さんも綺麗、小さくて可愛い』

矢「熱帯魚は色が鮮やかな魚が多いしね」








ジィっと水槽を眺める孤爪ちゃん、すると「あ、このお魚さんなら私も知ってる」と言い出した








彼女が指さすのはオレンジの魚だ


細い黒いラインと白のラインの縞模様がある、あの有名な魚だ








『ニモ！』

花.松.及「「「ﾌﾞﾌｯwwww(に、ニモwwww)」」」









ニッコリ笑顔で自信満々に答えるが違う








矢巾は孤爪ちゃんを見て、驚いているような可愛らしいと思っているような複雑な表情をしている


少しだけ笑いを堪えてるような表情でもある




ちなみに、見守り隊は無事死亡











矢巾は咳払いをし、孤爪ちゃんに向かって説明を始める










矢「そ、それは映画に出てくるキャラの名前なんだ」

『...！？そ、そうなの？！』

矢「うん。本当の名前はカクレクマノミだね」

『ほぇー...』



『かくれんぼが好きなお魚さんなの？』

矢「好きっていうよりかできるって感じかな？捕食者から身を守るために、毒のあるイソギンチャクに住んでるんだ」

『ってことは、クマノミは毒耐性があるんだ』

矢「そうそう」


矢「(Aさんって、こんな幼い一面もあるんだ...可愛いなぁ)」









「他のお魚さんは？」「えっとねぇ...」と会話を繰り広げる2人




なんだろう...なんだろうなぁ...










花「学生のカップルってよりかは...」

及「初めて水族館に来た娘と、それを見守る父親じゃん」

花.松「「それだ！！」」








端から見れば美男美女カップルなのだが、その実態は精神年齢幼女と魚に詳しい父親とかいう、もう訳分からん状態だ








松「まあ、孤爪ちゃん初めて水族館来たって言ってたしなぁ...」

花「そもそも友達もそんなにいなかったみたいだし、身内じゃない人間と出かける機会とかもなかったんだろうな」

及「でも流石に精神年齢低すぎじゃない？？」









この日を境に孤爪ちゃんのイメージが「はじめてのおつかいロリ」になったのは言うまでもない










すると、あの2人に動きがあった








『あ、ご、ごめんなさっ...』

「いえ、こちらこそ」










どうやら孤爪ちゃんが他の客とぶつかったようだ

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