気が付いたら2【佐野万次郎】

憂鬱 ページ11

どんなに嫌なことがあっても時間は同じ速さで過ぎていく。


学校…行きたくない。

昨日の事を思い出すと、どうしてもそんな気持ちになる。

深山さんにはめちゃくちゃ問い詰められるし、昨日初めて会った黒龍という不良グループの2人からは、私が不良たちの間でちょっとした有名人になっていると聞かされるし………


結局、画鋲の事だって分からず仕舞いだ。


外、出たくない………

でも今年は受験だし、頭がそこそこな分、出席日数とか提出物でカバーしないと………


重い体と気持ちを引きずって私は少し早めに家を出た。


早く学校に着いたからなのか、上履きには何も入ってなくて、ほっとした気持ちで教室へ向かうと自分の席に座る。


マイキーくんたちと関わるようになってから、本当に色々な事が起こっている。


何よりも私の周り不良多くない？

多すぎない？
何でこんなに物騒なの？？


そうは思うけれど、彼らとの関わりがなければ、エマちゃんや柚葉ちゃんとも出会うことはなかったかも………と思うと複雑な気分になる。


それに、マイキーくんたちは私のことを気に掛けて助けてくれる優しい人だ。


元はと言えば、私が愛美愛主の不良たちに口答えしたのがいけなかったんだ。

とは言え、払えるお金もなかったのに、あれ以外にどうしたら良かったんだろうか………と考えてしまう。

昨夜はあまり眠れなかったからなのか、眠気が襲ってくる。


「なんか、疲れた………」


考えるのやめよう。


机に頭を預けて目を閉じる。

そんなつもりはなかったけれど、私はあっという間に夢の世界に旅立ってしまった。

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