・ ページ8
.
2年3組の担任はバレー部顧問でお馴染みの谷口先生
全部活動の総括も務めていて何度か話したことはあるものの、しっかりと関わるのは初めて
物腰が柔らかく、優しそうな先生だと思った
バレー部で普段から関わりがあるであろう井田とこっそりアイコンタクトを取っていたのを見てお茶目なところもあるのだと知った
『小野島Aです、女子バスケットボール部に所属しています
…よろしくお願いします』
先生の自己紹介が終わると次は私たち生徒の番
クラスメイトたちは個性的な人が多く、趣味や特技などユーモアを交えて紹介していたが、私は特に思いつかなくてありきたりなものになってしまった
これまでの学生生活、特にこれと言った問題もなく過ごしてきたものの
学生生活において第一印象や初動の大切さは理解しているので、どうも臆病になってしまう部分は否めない
…冷たい人だと思われてないといいけど
そんな悩みなど微塵も感じてないであろう後ろの席の彼はいつもの如くチャラめの挨拶をかましていて、ちょっと、いやかなり羨ましいと思った
その後体育館に移動して全体での始業式を終え、再び教室に戻って午前中で終わり
普段よりずっと早くに解散のはずなのに随分と長く感じた
「じゃ、また明日な」
「うん、また明日」
挨拶を交わした隣の井田は颯爽と部活に向かう
「小野島と、橋下〜、ちょっといいか?」
私も早く部活に行こうと準備をしていたら、谷口先生からの呼び出し
先生のいる教卓に向かうと、その上にはノートの山がこんもりと二つ
「これを小野島と橋下の二人で職員室まで、よろしくな」
「あ、の、小野島さん、!」
橋下さんに勝手に気まずさを感じて少し早足で歩いていたら可愛らしい声で名前を呼ばれた
「わ、私実は、小野島さんのファンなの、!」
「…ええっ?」
まさかの返しに驚きすぎて苦笑いしかできない私
「あっ違っ、ファンっていうか、その、」とあたふたする橋下さんが小動物に見えてきた
「もしかして…バスケ?」
「っうんうん!そうバスケ!」
聞けば去年うちの体育館で行われた試合を見に来ていたらしい
長年頑張っていることを褒められた気持ちになって心がじんわりと暖かくなるのがわかった
.
1311人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
@ゆぅり(プロフ) - 寧音さん» ありがとうございます!ドラマと一緒に楽しんでもらえる作品になっていたら嬉しいです☺更新頑張りますね! (2021年10月25日 22時) (レス) id: f2690c8a88 (このIDを非表示/違反報告)
寧音 - 人物紹介からすでに、面白さが伝わってきました😊お話が更新されるごとに読みたい!!と思ったのでゆぅり★さんのペースで書いてくださいね楽しみに待ってます!!😆 (2021年10月25日 9時) (レス) @page1 id: 4652df25d1 (このIDを非表示/違反報告)
@ゆぅり(プロフ) - いちご・オレさん» すみません!ご指摘ありがとうございます!!!助かります! (2021年10月17日 19時) (レス) id: e8bc635839 (このIDを非表示/違反報告)
いちご・オレ(プロフ) - 突然すみません。あっくんの苗字は相田ではなく相多だと思います。漫画でもそう書かれていたので…。 (2021年10月17日 15時) (レス) @page4 id: f425ed1b5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:@ゆぅり | 作成日時:2021年10月17日 6時