【名探偵コナン】消えた捜査官4【降谷零】

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「ここからそう遠くはないはずだ…
けど、情報が少なすぎる…っ」

「安室さんっ‼これって…っ‼」

コナンが指差したのは、一瞬映った、鮫島の視界から隠す様に設置された黒い小さな機械。

「ああ、間違いない。電波妨害装置だ…」

全テレビ局がジャックされるという異常事態。
降谷達がTVを確認した時点で、既にジャックから数分が経っている様だった。
にも関わらず、側近から未だに喋り続ける鮫島へ、この異常事態を伝える何かしらの連絡がいかないのは、恐らくAが事前に設置したその装置のせいだろう。
カメラに映るポジションや準備などからみて、この状況を作り出したのは鮫島じゃない、明らかにAだった。

「風見、今すぐこの辺りで電波に異常が見られる地点を探し出せ…っ‼
それから…今現在、鮫島や鮫島の側近へ、電話なり何なり連絡を取ろうと試みている奴らを調べて片っ端から叩け‼
責任は俺が取る。」

「はいっ‼」






画面の中のAは、本当の敵(かたき)である大きな権力を前に、堂々とした立ち姿で負けじと対峙し、雄弁に語っていた。

「返してもらう。
貴方に奪われた、父の誇りを。」

「それが公になれば、この国がどんな事になるのか、想像がつかないのか…っ⁈
国民の安全を守るべき警察の信頼は地に堕ちる‼
そうなったら誰がこの国を守る‼」

「…私利私欲の為に、その国民を欺き、その信頼を地に堕とそうとしているのは誰ですか。」

Aの左手にはUSBが握られていた。

「このUSBには、貴方に一家心中の汚名を着せられ殺された…生前の父が調べていた貴方の数々の不正の証拠。
その部下の、不正の証拠と被害者の証言。
それを認めた音声データ。
そして…先日犯罪組織に流出した超機密情報への、数日前からの貴方のパソコンからのアクセス履歴が入っています。
貴方の持つ使途不明な端末から、犯罪組織への連絡と思われる履歴の復元データも。
…まだ聞きますか？」

「…貴様…っ‼」

「この証拠を、私から公にするのは本意ではありません。
貴方に、警察官としての良心というものが少しでも残されている事を…私は信じたい。
どうか…賢明な判断を。」


日本の未来が、揺れていた。

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