【名探偵コナン】消えた捜査官4【降谷零】

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急いで再び風見へ連絡を入れる。
やはり今日も部下は自宅へ帰る気はないのだろう。
風見はすぐに電話に出た。

「なぁ…風見。
以前、電話で『彼女は父親によく似ている』という言葉に心当たりがないか俺に聞いたよな？」

「はい。」

「それ、安藤がどのタイミングで言ったのかわかるか？」

「情報元は、綾瀬Aが安藤と揉めていたという旨を周囲に漏らしていた男です。
当時のその男の話によると、揉めていたのを目撃して一旦その場を立ち去ったものの、少ししてから改めて校長室を訪れた時に安藤が秘書の梶原に言っていたそうです。」

(やはり、Aが安藤へ告発の意思を伝えた後か…。)

やはり、降谷の予想は正しかった。

(Aの父親も、安藤の不正に気付き告発しようとしていたのか…？)

しかし、ここで壁にぶち当たる。
いくら探しても、Aの父と安藤に接点は見つからない。





ー『勤務態度も良好で周囲からの信頼も厚かった父親の犯行、という線に当時の仲間達は疑問を呈していた様だったんですが…その後、彼の上司から【直前に詐欺被害を思わせる発言があった】との証言があり、初動捜査通り、父親による一家心中と断定されました。』ー




その証言は、鶴の一声の様に、捜査方針を一気に一家心中へと導いた。

「なぁ…、綾瀬Aの父親が、犯行直前に詐欺被害を思わせる発言をしてたって証言した人間が居たって言ってたよな？」

「…っ‼はい‼」

「誰かわかるか？」

「ええと…」

電話越しに、パラパラと資料を捲る音が聞こえる。

「当時、綾瀬Aの父親の上司だった人物です。ええと…氏名は…、え…」

音がピタリと止まる。

「風見？」

「…当時、警視庁へ出向していた人間です。
当時の階級は…警視長。
現在は…」

風見の声が、不自然に止まる。
まるで、その先を口にする事を恐れ、躊躇うかの様に。

「風見」

数秒の沈黙の後、意を決して風見はその名を口にした。

「現警察庁所属、鮫島公康(さめじまきみやす)、現在の階級は…警視監です。」


我々が開いたのは、真実の扉かパンドラの匣か。

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