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何年も心の奥底にしまい込んだ宝物。
一度蓋を開けた思い出は、堰を切ったように溢れ出し、止める事は簡単ではなかった。


「本当に大切なんだね。
…今も、変わらない、よね?」

「…ああ。
今この現状に立って、あの時判断を間違っていなかったらとか、あの頃に戻りたいと一度も思わなかったといえば…それは嘘になる。
過去の思い出も、過去のAも俺にとっては全てが大事な宝物だ。」

「うん。」

「でも…」

「降谷さん?」

降谷の表情に、翳りがさす。

「きっとAは違う。」

「降谷さん…」

「Aの中の俺の最後は、自分よりも国を取った男だ。
それを弁明するつもりはない。
例え、それをAが肯定して、許したとしても…俺は、あの決断が間違ってなかったとはいえ、正しかったとも思いたくはない。
きっとAの中の俺も、あの日のままだ。
俺は…過去の自分にもAを渡したくない。
負けたくない。
未来の、今の俺を見て欲しい。
その為には…隣に居ないと意味がないんだ。」

「…うん。」

「ここまで辛い思いをして諦められないなんて…本当にどうかしてる。」

「…良いんじゃない?別に。」

「あの日のままのAを放ってはおけない。」

「うん。」

「本当は、彼女は人一倍泣き虫なんだ。
でも、あの日から今日まで…Aは一度も泣いていないんだろうなって、目を見て思った。
彼女が今まで1人で過ごした数年間…その心の隙間を、俺はこの先一生使って、埋めてやりたい。」

「…うん。」

「俺は、Aと今を生きたい。」


いつもポアロで見ている安室透でもなく、皆を率いる公安のエース降谷零でもなく、そこに居たのはただ1人を想う、ただ1人の男だった。







「ねえ、降谷さん。」

「降谷零にとって、Aさんってどんな人?」

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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虎鉄(DC一時お休み中)(プロフ) - スカイさん» スカイ様、返信遅れて申し訳ありません!コメント下さり有り難う御座います(^^)スカイ様の涙腺を刺激出来たなら本望です笑。御礼を言うのはこちらの方です。短くはないこの作品を読んで下さり、そして感想まで下さり本当にありがとうございました!!感謝です。 (2020年6月20日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - すごく感動しました。涙が溢れてきて胸がキューとなってこんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます (2020年6月13日 2時) (レス) id: 8bcf366f5d (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - しろさん» なんと嬉しいお言葉でしょうか。自己満足の小説に、その様なコメント頂けて嬉しいと感謝の他に言葉が見つかりません。落胆されぬ様にこれからも執筆させて頂きます!これからもよろしくお願いします。ありがとうございます! (2018年5月30日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 初めての感覚です。何か映画や連ドラを見てる気分でした。心の底から応援してます!!こんなに引き込まれるのは初めてです!!!! (2018年5月30日 18時) (レス) id: fe2831d1b4 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - KAZUKIさん» コメントありがとうございます!身に余るお言葉…そう言って頂けて本当に嬉しいです。10枚以上書き連ねたプロットが報われる様な気がします。話が重く複雑なので悩む事もありましたが、書いてきて良かったです。もうすぐ佳境です、引き続きよろしくお願い致します★ (2018年5月30日 0時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年5月20日 15時

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