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降谷はコナンの意図がわからなかった。
それでも、いつもの様に安室透で茶化して誤魔化すべきではないと直感的に感じ取った。
しかし、任務上どうしても言えない事があるのも事実だ。
どう答えるべきか悩む降谷に、コナンは続けて言った。

「嘘をつく位なら、何も言わなくて良いよ。
それ以上は聞かないから。
だから、絶対に嘘はつかないで。」

何かに必死に見えるコナンに、降谷は思わず頷いてしまう。

「……わかったよ。」




身構える降谷に対して、コナンの目は、鋭かった探偵のものから、小学一年生か、はたまた内に秘めたる高校二年生か、少年のものに変わる。

「Aさんとはどうやって知り合ったの?」

「…え?」

「この前、高校からの付き合いだったって教えてくれたよね。
どっちから告白したの?」

「コ、コナン君…これは一体…?」

コナンの質問は、降谷が想定していたものからかけ離れていた。
思わず降谷の目は点になる。
そんな降谷を見向きもせずコナンは好奇心にまみれた追及の手を止めない。

「僕の推理では…安室さんって昔からすっごくモテたでしょ。
だから、やっぱりAさんからかな?って思うんだけど。」

自然と降谷の脳裏には、いくつもの思い出が駆け巡る。
どのAも、笑っていた。
けどなぜか、降谷はこの前の時の様に目を背けたくなるような辛い気持ちにはならなかった。
むしろ、きちんと真正面から思い出と向き合うことでいつも靄がかかった様に見えていたAの笑顔が、くっきりと、ハッキリ思い出せた気がした。

昨日の出来事は、降谷にとって大きなダメージを残した。
だから少し、降谷もやけになっていたのかもしれない。


「…残念だけど、その推理は大外れだよ。」

「え?」

「俺はAにフラれてばっかりだったからね。」


降谷は、笑っていた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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虎鉄(DC一時お休み中)(プロフ) - スカイさん» スカイ様、返信遅れて申し訳ありません!コメント下さり有り難う御座います(^^)スカイ様の涙腺を刺激出来たなら本望です笑。御礼を言うのはこちらの方です。短くはないこの作品を読んで下さり、そして感想まで下さり本当にありがとうございました!!感謝です。 (2020年6月20日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - すごく感動しました。涙が溢れてきて胸がキューとなってこんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます (2020年6月13日 2時) (レス) id: 8bcf366f5d (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - しろさん» なんと嬉しいお言葉でしょうか。自己満足の小説に、その様なコメント頂けて嬉しいと感謝の他に言葉が見つかりません。落胆されぬ様にこれからも執筆させて頂きます!これからもよろしくお願いします。ありがとうございます! (2018年5月30日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 初めての感覚です。何か映画や連ドラを見てる気分でした。心の底から応援してます!!こんなに引き込まれるのは初めてです!!!! (2018年5月30日 18時) (レス) id: fe2831d1b4 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - KAZUKIさん» コメントありがとうございます!身に余るお言葉…そう言って頂けて本当に嬉しいです。10枚以上書き連ねたプロットが報われる様な気がします。話が重く複雑なので悩む事もありましたが、書いてきて良かったです。もうすぐ佳境です、引き続きよろしくお願い致します★ (2018年5月30日 0時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年5月20日 15時

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