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「哀ちゃん…っ‼」
「吉田さん‼怪我はない⁉大丈夫⁉」
足場の悪い中、ヘリの目を盗みようやくAと灰原はゴンドラへと辿り着いた。
ゴンドラ越しに会話をする灰原達には目もくれず、Aはドアに右手をかけた。
しかし、本来簡単に開閉出来るはずのドアは、衝撃で歪んでいるのか、押せど引けども何かが邪魔をしてびくともしない。
「何とか開ける事は出来ないの⁉」
大人のAでさえ開ける事は出来なかったのだ。
小学一年の身体の自分では到底開ける事は無理だろうと、灰原は焦りを隠せない。
「うーん…。ねぇ少年探偵団諸君、お名前教えて貰える?」
「貴女、こんな状況で何を」
「歩美だよ!吉田歩美!こっちは、」
「俺は小嶋元太!」
「ぼ、僕は円谷光彦です!」
この状況には似つかわしくない程の明るさに、Aから思わず笑みが零れる。
「そう…皆素敵な名前だね。
歩美ちゃん、元太君、光彦君教えてくれてありがとう。」
「どういたしまして!」
Aは一人一人しっかりと目を合わせて続ける。
「歩美ちゃん、元太君、光彦君。
もう1つお願いがあるんだけど、聞いて貰えるかな?」
「なにー?」
「もちろんです!」
灰原はこの状況に心底驚いていた。
自身は居合わせなかったが、以前コナンがひったくりの人質になった際、コナンを助け出した彼女の事を、少年探偵団達は一様に「怖い」「不気味」と何かを感じ取っていたのに。
そんな子供達がいとも簡単に彼女に懐いているではないか。
「今からこのドアを開ける為に、少しだけ危ない事をします。
だから皆には、端に寄って
何をするか気になるだろうし、観覧車は揺れてるし…君達にはちょっと難しい事かもしれないんだけど」
「歩美出来るよ!」
「俺も!」 「僕も出来ます!」
(この人、心理学を巧みに利用していとも簡単にこの子達を…一体何者なの?)
歩美達は、Aの言う通りに従った。
それを確認したAが懐からおもむろに取り出したのは、一丁の拳銃だった。
それを右手に構えたAの左腕を灰原は咄嗟に掴む。
「貴女、何するつもり⁉」
「…っ‼危ないから離れて。」
灰原を左腕で静止し、Aはそのまま右手1本で引き金を引いた。
立て続けに3発。
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虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» こちらこそいつも読んで下さって本当に感謝です!後に浮かんだ方が主人公らしいかなとは思うんですが、まだ引っ張る?って自問自答してます笑。ラストまでまだまだなのでゆっくり考えます。すれ違った分どうか幸せに…。どうかこれからもよろしくお願いします! (2018年5月18日 0時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - 進行速度が遅いだなんてとんでもない!毎日の更新、本当に感謝ですm(__)mサラッと終わっちゃうんですか(; ゚ ロ゚)!?ハッピーエンド好きな私としては、どうか分かち合って欲しい(>_<)でもどんなエンディングにせよ、虎鉄さんに付いていきますので頑張って下さい!! (2018年5月17日 22時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - いぶさん» ご指摘ありがとうございます!一個年上でしたね(u_u)部下=歳下とばかり思い込んでました。ご指摘下さって本当に感謝です^_^!後でこそっと修正します笑。ただ今いそいそと書き上げておりますので、長い小説ですがこれからも読んで頂ければ嬉しいです^_^★ (2018年5月13日 22時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
いぶ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。95のシーンで風見より年上のあの人と私は、というところがありますが、降谷さんは風見より年下だったと思います。もし、あの人が降谷さんでなかったり、この中では変更していたらすみません。これからも頑張ってください。 (2018年5月13日 22時) (レス) id: e657a95109 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» ぴよこ様に見限られてなくて良かったです笑!これからもすれ違うのを先に謝っておきます笑。コメントいつも本当にありがとうございます!たまに見返して書く原動力にさせて貰っております。まだまだ完結まで遠いですがこれからもお付き合い頂けると本当に嬉しいです★ (2018年5月9日 15時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年5月9日 2時