コンビニ店員がドタイプだった。【影山飛雄】

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さっき、閉じた携帯をもう一度開く。


「…、お礼だけ。一応、お礼だけ」


常識範囲内の事だ。
それ以上でも以下でもない。
ただ、看病をしてくれた人に治った事を知らせる事は何もおかしい事ではないはずだ。




文字を打っては消してを繰り返す。





この前はありがとう、今日から学校に行けます


そう並べられた文字を唸る



「うぅーーん」


「おまたせー、って何でしゃがんでるの？」


静かにひらく自動ドアからでてくる友人


「ねえゆうちゃん、どうしたらいいかな」


「は？何が」


彼女とは高校に入ってからの中ではあるけど
結構深い所まで話せる良き友人。



今までの経緯をゆうちゃんに話す。







.





「うーん、まあ普通に治りましたありがとうで
いいんじゃない？」


普通が一番だよ、と自分の携帯を弄りながら
足を進めるゆうちゃん。



「うーん、じゃあそれでいいかな」


「アンタは恋愛とか下手なんだから駆け引きとかしちゃだめだよ。真っ向から行きな。真っ向から」



「ま、真っ向…？」



ゆうちゃんの方を向けば
くるりときれいに上げられたまつ毛が目に入る



「ありのままの自分でぶつかって行きなさい」


「おかあさん…！！」



「誰がよ。」

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