【歌い手】男遊邸の護衛さんは【番外編】にも出るようです。

▽ ページ12

「……しょうがねぇな……


おい…志麻、言い出しっぺなんだ

お前は坂田がやり過ぎねぇように見張ってろ


センラ、俺達はAを運ぶぞ」



「りょーかい」



「分かりました」





Aを連れて2人が出ていくと志麻くんがこっちに近付いてくる。




「久しぶりに見たわ

お前のそんなギラギラした顔」



「……せやね、久しぶりやもん、この感じ」




殺しを生きる糧として一緒に生き延びてきた僕達4人は、周りの誰よりもお互いを知ってる





そんな僕らも

ここに来て、Aに出会って、変わった




笑って話す事も、皆でご飯を食べる事も

それがとても幸せで楽しいって事も

全部Aが教えてくれた。



Aは幸せを教えてくれた。






志麻くんの目が変わる


いつもの楽しそうなものでは無く




「俺にもやらせろ」




昔の様な獲物を狩る目付き



綺麗な紫の瞳は殺気を孕んで淡く光っている様に見える。





「ええで！殺さない程度に




……痛めつけよか」






料理長の意識はまだある



意識を無くすなんて甘いことはしない



Aに与えた痛み以上の激痛を味合わせんと気がすまん







「覚悟しろよぉ？りょーりちょー」



「気絶できるなんて思わんといてな？」





始末が終わったらAの看病をしよう


あぁ、その前にお医者さん呼んで来んといかんな







Aは死なない


あの二人が着いたんやもん




大丈夫




だから今は




こいつに





死よりも辛い痛みを……

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