26話【御品書き】 ページ27
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ある日、麗に天領奉行から依頼が届いた。
依頼内容は"奉行所の夕餉を作って欲しい"。
不思議な依頼に麗は首を傾げながらも奉行所に行き、ある程度親しい仲である娑羅に聞くことにしようとしたが生憎娑羅は少し前に大将に昇格し多忙の身な為会えないと同心に言われてしまった。
そもそも、麗はこの依頼人が分からない。
九条家の当主なのかそれとも同心全員なのかすら分からず途方に暮れかけながらもよく巡回で挨拶をする天野に聞くことにした。
『ねぇ天野くん、この依頼って誰が出したか知らない？』
「ん？どれどれ………この依頼は確か鹿野院同心が出していたのを見かけたけど…」
『鹿野院くん？』
「あぁ、鹿野院同心は天領奉行の特別探偵なんだ。
でも彼が出勤しているのはあまり見ないかな」
『そ、そっか……とりあえず今日は私が夕餉を作るね』
麗は天領奉行にまた戻り御品書きをことにした考えることにした。
御品書きが書いてある紙を見る限りあまり種類がないように見える。
麗はペラペラと御品書きの冊子を見終わる。
『………揚げ物でも作ろっかな…』
しかしここの獣肉や鶏肉はあまり新鮮なものでないから野菜の天ぷらがいいだろう。
幸い海老ならまだ新鮮だ。と思い麗はよいしょ、と夕餉の準備を始めた。
夕餉の準備を始めてから数十分後、パタパタとこちらに向かう足音が聞こえ麗は誰か来たのかな、と思い厨房から顔を覗かせると
「あ、出てきた。こんばんは」
麗よりほんの少し身長の高い少年が椅子に座り頬杖をついて笑っていた。
麗は天領奉行にこんな若い子がいるなんて珍しいなと思いながら口を開く。
『こんばんは、夕餉はあともう少しだから待ってね』
「うん、ありがとう」
麗は返事を聞くとすぐに厨房に戻ろうと足を向けた時
「ねぇ」
『？』
「今日の夕餉、当ててみようか」
「天ぷらでしょ」とピッと人差し指を出しながら言う少年に図星を突かれ驚く麗。
どうしてわかったのという前に少年が先に口を開く。
「僕は鹿野院平蔵。天領奉行の特別探偵さ」
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます！感想書いていただいて嬉しいです！伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください！ (2022年7月10日 23時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します！ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです！続編がますます楽しみになる作品ですね､､更新待ってます！ (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空華 | 作成日時：2022年7月4日 22時
