24話【たたら砂】 ページ25
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『なにこれは入れない』
麗はスカラマシュに送った手紙通りにたたら砂に行っていた。
もちろん、彼の過去を知るためになのだが。
『なーにーこーれー!?
雷元素のシールド!?壊れろ〜!!』
謎の雷元素の膜によってたたら砂の鋼製造所に入れなくドンドンと膜を叩く麗。
むすっと頬を膨らませながら膜を蹴り上げているとふと見覚えのない装置がふわふわと中で浮いているのが見えた。
『なにあれ…装置?』
装置って言えばフォンテーヌだけど…わざわざここまで運ぶ?と思いながらじっと装置を凝視するが全くわからなかったのか麗はそこを離れた。
少し下に降りると枯れかけの雷櫻がそこにあった。
ヒルチャールにやられたのか幹に傷が痛々しく残っている。
麗はその雷櫻の近くに寄りそっと傷に触れる。
『痛かったね』
麗が一言だけ言い手を傷から離すと先程より幹の傷は浅くなっていた。
途端浅くなった所に雷晶蝶が飛び交う。
『結構経ったらまた雷落ちちゃうからどこかに行った方がいいよー』
麗は雷晶蝶の近くに手を出し蝶を追い払う。
よいしょ、と彼女は立ち上がり鳴神島へと足を向ける。
どうしようかな、あのシールド。壊れるなら壊したいけど誰かに見られたら終わりだし。
でも国くんに言ったこと破りたくないしなぁと思いながらスミレウリを食べながら思った。
しかし生で食べたのが患ったのか苦そうな顔をして思わず舌を出す。
『ぅえ、にがい…』
舌に苦さが残りながらも麗はふとスネージナヤで冬国特産の酒、辛水を飲んだことを思い出す。
あの時はファデイの先鋭に厚意で貰ったので好奇心で飲んだはずだ。
麗は酒が嗜む程度に好きだ。
"とある酒好きの吟遊詩人"が1度酒を勧めたことから始まった。
それ以来酒の美味しさに目覚めた麗は気に入った物をご褒美として少し飲むことにしていた。
しかし辛水は彼女の口に合わなかったのかはたまた酒を飲みすぎたのか彼女はその後の記憶が全くない。
目覚めた時には数人のファトゥスに囲まれ淑女に頬を引っ張られ、散兵から蹴りを食らった。
麗は回らない頭で女皇の方に飛びつきファトゥスからの仕置きから逃れたがしばらくは酒禁止令が出された。
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます!感想書いていただいて嬉しいです!伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください! (2022年7月10日 23時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します!ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです!続編がますます楽しみになる作品ですね、、更新待ってます! (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空華 | 作成日時:2022年7月4日 22時