15話【長野原】 ページ16
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「ちょっやめてや！ウチの神の目を渡せばええんやろ？
その子には手ぇ出さんとって！ほら。
ウチの神の目や」
武士が麗に手をあげようとした瞬間、宵宮が間に入り武士に神の目を渡す。
武士はそれを確認すると「命拾いしたな。小娘」とだけ吐き捨て去っていった。
『何あれー！私の方が歳上なのに小娘扱いするなんて！』
『天領奉行の人達ってどうしてこう偉そうな人が多いの』と拗ねている麗に対して宵宮は息を吐いた。
「ほんっま助かったわ。ありがとう」
『え？』
「え？ってさっきウチに渡してくれたやない偽の神の目」
『あぁ！何とか間に合って良かったよ。
お礼なら私じゃなくて正勝先生に言って』
「正勝先生に？」
『彼が作ったの。私はその手伝い』
「けど手伝ってウチに渡してくれたアンタもウチの恩人や。
ありがとう」
『…！えへへ…面と向かってお礼言われると照れちゃうな』
宵宮の言葉が嬉しかったのか麗は頬を緩めた。
「ウチは宵宮。長野原花火屋の現店主や。
仲良うしてな」
『私は麗。普段は相談所で色んな人のお手伝いをしてる。こちらこそよろしくね。宵宮ちゃん』
麗がそう言うと宵宮は不思議そうな顔をした。
「麗ちゃんはなんで相談所作ったん？
冒険者協会でも同じようなことできるさかい、そっちに入ってもええ気がするけど」
『あっ………、冒険者協会のことすっかり忘れてた……』
「忘れとるって……麗ちゃんはうっかりさんなんやなぁ」
麗はうっかりではない。
決してそうではないと自身は思っている。
しかし現にその日のおみくじの結果を忘れたこと
集めようとした緋櫻球を集め忘れたこと
など他にも数えられないくらいとても小さなことを忘れてしまう。
うっかりだと認めたくない麗は宵宮に弁明するように熱弁する。
『で、でも冒険者協会はお金を取っちゃうでしょ？私は基本的に無料！危ないこと以外無料だから！』
「それはそれで採算取れとるん？」
『モラはあるから取れなくても大丈夫』
麗の楽観的な考えに宵宮は少し不安を覚えたが麗なら大丈夫だろうと初対面ながら安心感もあった。
『じゃあ私は1度正勝先生の所に戻るね。
今度宵宮ちゃんの花火買いに来るよ』
「おおきに！麗ちゃんにピッタリな花火作っとくわ！」
手を大きく振って手芸屋に向かう麗を同じく大きく腕を振り見送る宵宮。
その光景を見ているものがいるとは知らず。
「…………」
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます！感想書いていただいて嬉しいです！伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください！ (2022年7月10日 23時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します！ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです！続編がますます楽しみになる作品ですね､､更新待ってます！ (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空華 | 作成日時：2022年7月4日 22時
