10話【相談所】 ページ11
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神子の発言に麗はギョッとする。
『無理無理無理!私はもう昔の私じゃないんだよ!?話をする人なんているわけないじゃん!』
「そこはなんじゃ、何とかなるじゃろう」
『出た!神子の面倒くさがり!』
『というか場所とかどうするの!?』と質問攻めをする麗に神子は「掲示板の近くに郵便受けでも作っておればいいじゃろう」と言う。
神子の提案に一理あるなと麗は思いながらどうしようかと考える。
「どうじゃ?もう一度建てる気にはなったじゃろう」
『うーん…でも建てるには奉行所の紙がいるし…神子が推薦状書いてくれるなら建ててみようかなー』
麗のその言葉に神子はしてやられた、という顔をした。
「…汝、やるようになったな」
『神子のこと、斎宮の次くらいに知ってるからね』
「ふん、いいじゃろう。
推薦状、書こうではないか。
その代わり、鳴神大社の仕事も手伝ってくれぬか?」
『しょうがないなぁ』と麗ははにかむ。
麗の顔はそれまでで1番柔らかい笑顔をしていた。
そして翌日。
麗は神子の推薦状を握り天領奉行に赴いた。
『ここだけは何も変わってないなぁ…』
『なんか変な神像あるけど』と先手百目神像を見て呟きながら天領奉行の中に入ろうとすると「待て」と誰かの制止の声が聞こえた。
麗が振り返るとそこには長身の女性が立っていた。
「お前、何者だ」
女性の声は威圧的で厳しそうな顔でそう発したが麗はそんなことを気にせずポカンと口を開け、小さく呟いた。
『笹、百合…?』
「は…?」
女性の声に麗はハッとした顔でこぼした言葉に気づき、思わず自身の手で口を塞ぐ。
「貴様、今なんと」
『何も言ってません!!』
麗は女性の着けている面が将軍の愛将であり彼女の旧友である笹百合の物と酷似していることから女性から旧友の面影を感じてしまった。
『きょ、今日は天領奉行の大将様に相談所を建てるための許可証を頂きに来ました!!』
麗は話題を変えようとし自身の来た目的を女性に伝えたが女性は顔をしかめる一方。
「だからお前は何者だと聞いているんだ。
用件はその後だ」
『れ、麗です。鳴神大社で、お世話になってます』
「鳴神大社…ならばそうである証拠を見せろ」
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます!感想書いていただいて嬉しいです!伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください! (2022年7月10日 23時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します!ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです!続編がますます楽しみになる作品ですね、、更新待ってます! (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空華 | 作成日時:2022年7月4日 22時