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「白ウサちゃ〜ん♡」
ガバッ
「あっ…ちょ…!?」
いきなり後から抱きつかれた
「相変わらず かわいいね〜♡」
「……離してよ 帽子屋」
「最近見ないけど 元気してた?」
「うん…まぁ……」
「そーいえば
今のアリスはいるの?何人目?」
「いるよ 188人目」
「え?
まだ188人目?」
「うん」
「随分 長生きだね♡
…で どんな子?」
「今までで一番 可愛い」
「え゛?マジ??
今度のアリスはスゴいね〜♡
アリスはいつも可愛いけど
その中で"一番"だなんて♡
あの男も早々にコロさない訳か〜」
「そうならいいんだけど…」
僕の一言を
勿論 彼は聴き逃していなかった
「腑に落ちないことがあるの?」
「帽子屋には関係ない」
「今更 何を言ってるんだい?」
彼は優しい顔をしていた
でも少し背筋がゾクッとした
「今回のアリスは
君には守れない
アリスと会うことさえ
君にはできない
だから
アリスは君に関係ない」
あそこは男子禁制の魔
この男が立ち入れる訳がない
干渉しないほうがいい
僕の"設定"的にも
君の"悪の道"へ進ませることは
"彼の助け"と言えない
「___"188人目"のアリスは"特別"なんだね」
先程と違う
優しい笑顔を僕に向けた
「君が"アリス"と認めるくらいだから___」
認めてない
アリスと認めてない
だから彼女を敢えて"アリス"と呼ぶ
"特別"なのは"アリス"だからじゃない
___"アリスとして否定したい"
だから彼女は"特別"なんだ____
"僕をコロせないアリス"はアリスとして認めない
まして罪人でないなら尚更…
だって僕は"白ウサギ"以外の何物でもない
なら
彼女を"アリス"から降ろすしか方法はないんだ
傷つけない唯一の方法は
____彼女が"アリス"をやめること
「わかってないね 帽子屋は
そういう所が僕に"助ける"必要性を感じさせるんだろうけど…」
「僕は君の"そーいう所"が
昔から大嫌いなんだけどね♡」
「そういう所…?」
「"何でも悟った気分"でいる所だよ」
「当たり前さ…
こんな風貌でも
少なくとも君と同じ位は生きている」
いや 数"倍"以上か…
数えてないよ
君が僕の生きた歳を知ってるかは
知らないけれど……
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作者名:舞華鳥(鳴海・LM・はるか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/dasakusha/
作成日時:2019年3月15日 0時