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『(園子たちが居る所で謝ったりしたら無茶するなって二人に怒られるしなー。二人きりになれたらいいんだけど)』
選手控え室を手探りで探していれば、とある部屋からレオンさんが出てくることに気付いた。例の部下の人に挨拶していたのだろうかと考えるが、園子の足はその部屋に向かって突き進む。そして、先ほどレオンさんが出て行った部屋に京極さんしかいないことにも驚きだった。
「他になにか」
「おつかれさま、真さん」
「! 園子さん、」
『(レオンさん、どうしたんだろう?)』
レオンさんが宝石を手に入れるためには京極さんが邪魔な存在になるはずだ。短い付き合いではあるが、彼が敵に塩を送るような人には思えなかった。
「A?」
『わっ、なになに!?』
「もう、聞いてなかったの? あんたはどうするのか聞いたんだけど」
このあと皆で昼食を摂る予定だったようだが、蘭は新一が宝石の警護に回るからパス。私に園子の目が向けられたようだ。
『用事あるんだったー』
「それってウソじゃないでしょうね?」
『へっ? いや、嘘じゃないよ』
これから作ってしまえば嘘にはならないだろう。
園子と京極さんは遠距離恋愛だと聞いていたし、二人きりにさせてあげるのも友人としての務めだと思っている。
京極さんと腕を組んで立ち去ってしまった二人に手を振って見送る。
新一たちは金庫に居るだろうけど、警護の邪魔をする訳にもいかない。……となれば、私がすることは観光名所巡りくらいになってくる。
『(一人はちょっと寂しいけど、仕方ないよね)』
「Aはどこに行くの?」
『夜には帰ってくると思う! そんなに遠くへ行かないから心配しないで』
キッドを探しに行く。なんて言ってしまえば心配性の蘭が引き留めるのは目に見えていた。言葉を濁しつつ会場を後にする。
昨晩のこともあるし、レオンさんは一筋縄じゃいかない相手だ。それはキッドも分かっているだろうけれど、彼が大きな怪我をしてしまわないかとそればかり考えてしまう。
『(探すと言っても宛てなんてないけどね)』
宝石の奪取は諦めていないし、金庫に出没するのだろうか。そのタイミングはいつになるのだろう。様々な憶測を頭の中で浮かべては消すを繰り返す中、嫌な予感というものが的中することに気付いたのは、お昼を過ぎてからだった。
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美紀 - 初めましてコナンの映画大好きなので最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月4日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - shoko0619さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。そういっていただけるとうれしいです^^ 完結に向けて続編をつくりましたので、引き続きそちらで読んでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 冷やし中華さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。完結できるように書き進めようと思っていますので、またお暇つぶしに程度に来ていただければと思います (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» お返事遅くなりました! ありがとうございます。願望の塊ですが少しでも楽しんでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 神崎さんの小説読ませていただいてます。もう最高すぎます。キッドとヒロインもうドキドキで見てます。もう更新はされないのですか? (2020年4月20日 13時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎 | 作成日時:2019年4月19日 22時