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新一を探していれば大幅に時間をロスしてしまった。
時間を挽回するために観客席の方へ向かって走る。角を曲がった時、真っ直ぐ走っていただろう人にぶつかってしまうのだ。
『すみません』
「こちらこそって、Aさん!?」
『リシさん!』
偶然ばったり。会場に運び込まれた宝石の警護をしていたことは察しが付くものの、廊下でばったり出会うとは思わなかった。
出会い頭でもぶつかったことを思い出しつつ、彼の様子に首を傾げてしまう。
『どうして急いでるんですか?』
「それが、」
入場ゲートに不審人物が居るのだとか。
半ば興味本位で彼について行ったのだけど、まさか不審者が蘭パパであったとは思わなかったので驚きが続く。
「おお、リシじゃねーか!」
「毛利探偵!」
リシさんは驚きつつも警備員に事情を伝える。それによって蘭パパが顔パスで通れるようになったようだ。怪盗キッドが変装の達人であると知っていたならかなり危険な行為じゃないだろうか。
それに、金属探知機のブザーが鳴る様子をみればなにかの金属を持っているはずなんだけど、蘭パパにそんな仕草はみられないのも不思議だ。
疑問を抱いていれば、蘭パパから連絡を受けたのだろう蘭たちが反対側の廊下から駆けてくる。そんな面子の中に新一の姿があって、思わず彼に詰め寄ってしまう。
『一人で先に戻るなんて酷いじゃん! 新一を探してる間に京極さんの雄姿を見逃しちゃったし』
「(おめーが恥ずかしいことをさらっと言うからだろうが)」
気まずそうに視線を逸らすということは罪悪感がない訳ではないのだろう。
ジト目でみられるものの反論する気はないようで、無事に合流出来たので良いかと自己完結するしかないようだ。
そんなやり取りの中、リシさんが蘭パパに向かって声を上げた。
「丁度良かった! もし良ければ、これから金庫へご案内します!」
金庫に興味はなかったけれど、新一とアーサーくんは興味があったようだ。蘭パパたちの背中を見送り、私は蘭たちと一緒に京極さんの控え室へ向かうことになった。
そういえば、あの日のことを改めて謝れてなかったなあ。
めちゃくちゃなスピードで飛んできたサッカーボールも凄いけど、拳一突きで破壊させた京極さんも凄い。そんなすごい彼に怪我はないかと頻りに心配されてしまえば、危ないから飛び出すなと怒られるよりも罪悪感を感じてしまうのだ。
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美紀 - 初めましてコナンの映画大好きなので最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月4日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - shoko0619さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。そういっていただけるとうれしいです^^ 完結に向けて続編をつくりましたので、引き続きそちらで読んでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 冷やし中華さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。完結できるように書き進めようと思っていますので、またお暇つぶしに程度に来ていただければと思います (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» お返事遅くなりました! ありがとうございます。願望の塊ですが少しでも楽しんでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 神崎さんの小説読ませていただいてます。もう最高すぎます。キッドとヒロインもうドキドキで見てます。もう更新はされないのですか? (2020年4月20日 13時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎 | 作成日時:2019年4月19日 22時