195:英と日 ページ9
相変わらず小学生とは思えない顔つきの彼はともかく、(まぁ、いっても元の姿は私と同じ高校生にすぎないんだが)
先ほどの細目の柔らかな顔の彼に比べると、鋭い目付きの彼は少し危ない雰囲気を醸し出している
何て言うか、細目の彼は物腰柔らかく見えなくもないが実際よく考えたらなに考えてるかわからない感じ
今の彼は、特に偉そうにしているわけでもないのに、威圧感があるような近寄りがたいオーラを感じる
なるほど、この日本にこの人が普通に街中を歩いているだけで、少しは目立ちそうな目鼻立ちだ
相変わらず目の下の隈もひどく目立っている
(まぁそれは見た目だけで、案外性格は穏やかな人そうなんだけどね)
「それにしてもどちらとのハーフさんなんですか？」
「イギリスだ」
(うん、ぶっきらぼうにみえても、ちゃんと質問に答えてくれるし)
「そうですか…
うちの家族はマジシャン一家で、海外に出かけるようなこともありましたけど、目の色で圧倒されることはあまりなかったので…
なんていうか驚きました」
「そうか…
君の言うとおり、目が合うだけで反らされることもたまにあるが…」
「そりゃ……なぁ」
そういいながら苦笑する名探偵
「それで、そのお兄さんを探しているのか？」
「はい、その写真の彼です…」
今までのいきさつを話した
RUIになった理由も
両親がアメリカにいることも
行方不明のタイミングも……
広いテーブルの上に私の持ってきた手紙や書類、写真が散乱している
「琉斗さんが組織の一員となると…
ちょっと厄介だな」
「ほぅ、ぼうやはお兄さんを知っているのか？」
「うん、彼もマジックが得意だし
頭もまぁ、きれる人だった」
「そうそう、兄は私よりも断然上手いし、
両親より私の師匠だったから
武術の才能もなぜかあったし
まぁその分、
私より天然でマイペースな性格だけどね」
「……でもあんな組織に進んではいるような人だと…
そう思いたくは……」
ねえなぁ…といいながらうなだれて考えてこんでいた
無理もないだろう
彼と蘭、私と兄は昔馴染だけど、
当時は両親達が忙しくてそこそこ一緒にいる機会が多かった
兄は近所の発明家のおじさんの未開発のメカを触っては分解してしまって、おじさん何度も頭を抱えてて、私達はそれをみながらよく笑ってた
(懐かしいなぁ)
随分前のことのように思える
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作者名：ラズリー | 作成日時：2021年6月21日 8時
