189:WHO IS HE?? ページ3
私が考え事をしている間に
小さな体の彼はおずおずと私からすり抜けた
「おいおい……こんなつもりじゃ
ちょっと、昴さん…何したの？」
「すみません、ちょっとからかい過ぎましたか？」
そういいながらも楽しそうに笑っている
「ちょ、なに、昴さん、からかったの？」
あからさまにめんどくせぇことになっちまったと
顔をしかめた
「いや、なんか自分のことを言いたくないみたいだったので、逆に何を隠しているのか気になってしまって、つい」
「す、昴さん……
勘弁してよ、コイツ昔からむきになるとすごいんだよ……」
「昔から？」
何気なく言葉尻を掴んでいる
「そう、なぜか俺だけに強気で」
何気なく返す
「昔からっていつの話です？」
「……」
はっとして振り向くと長身の彼と視線があってしまう
このとき彼も理解しただろう
小学生から高校生までの時間をまだ経験したことのない小学生がいう、昔というのはいつの話に当たるのか、を
「……ま、前からってことだよ」
なんとか誤魔化そうと乾いた笑い声をしながら視線をそらした彼に今度は私が呆れて口を開く
「なー、分かったかな
君の隠し事をわざわざ守っているのに、能天気にしている君に苛立たないわけないだろう？」
端からみていた私は言わんこっちゃないと苦笑いしてみせた
「はいはい、スミマセンデシタ」
明らかにテキトーな謝り方だ
「人のこと、強気だのすぐムキになるだのいっておいて、ほんとにひどい扱いだな、もう」
そういいながらも謝させられ、ふてくされた彼をみてやっと満足した
「……思っているより仲が良いんですね」
なるほど予想以上だ、
と昴さんは呟きながら言う
「べ、別にそんなんじゃ……
「どうでもいいけど、それでちゃんと何者か話してくれるんだよね、昴とかゆうお兄さん」
名探偵の言葉を遮って、私は彼に自己紹介要求した
「先程も言いましたけど、東都大学院生の、沖矢昴と……」
「うん、聞いたねそれは
本物は？
エメラルドの瞳のお兄さん」
「昴さん……コイツと何してたんだ…？？」
瞳ってどゆことだよ…
「いえ、ちょっと威かしましてね…
それで本物は？とは？」
「威かしましてというよりは、脅されてに近いですねー」
(そう簡単には本性も正体もみせてくれないか…)
「あはは……けしてそんなことは」
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作者名：ラズリー | 作成日時：2021年6月21日 8時
