華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

67:爆発 ページ18

「あ〜〜〜〜〜ーーー！！！」

(ど…どうした！？)


Aのものすごい大声が聞こえる
声のした方に急ぐ


「A！何かあったか！？」



「あ、くっ、黒羽君！
今来ないで！来ちゃダメ」



うわぁ…嘘でしょ〜って聞こえてくる


(何だ？

いやいや来ないでって言われても気になるんだけど)



「ったく、どーしたんだよ」
閉められた洗面所のドアに寄りかかってたずねる


「やだ、超爆発してるじゃん……

え、ちょっ、そこにいるの！？
ね、リビングいっててよ」


(爆発？
あー笑笑、跳ねてた髪の毛か笑笑)


「髪の毛ならもうさっきみたから笑、
そんな動揺することないだろ」

とドアを開けようとすると


「ちょっ、直るまでダメ！」

Aが裏で押さえてる

「ハイハイ、わぁったから笑」

「あけちゃ駄目だからね
わぁ…どうしよ…

ブラシじゃ直んない…ドライヤーを…


っ！」


俺は思いっきりドアを開けた

かごの中のヘアードライヤーはドアから手を放さないと届かない位置にあったはず


「えっ…ひゃ！
ちょっと、こないでよっ」

頭を抱えてしゃがみ込むA


「ずっとうずくまってちゃ、直らないだろ？

ほら、立てよ」


無理やり彼女を立たせて鏡の前へ


「ちょっ///何を」


「いいから黙ってろって笑笑」


コンセントにさしたヘアードライヤー、
それとブラシ

どちらもAから奪い取り
気づいたら彼女の髪を整えていた

(すっげー不思議な感覚だな…)



ヘアードライヤーとブラシを奪い取られたAが
だんだん抵抗しなくなったことをいいことに
俺はしっかりと時間をかけて直した


(こりゃ、仰向けで寝てたな…

でもどっちかというと
右寄りだな… )


「あ、ちょっと今笑った？
恥ずかしいからもう勘弁して？////」


「……」


「…？
ね、ねぇ？」


なにか言われても答えないほど
もう夢中になっていた



(中々此処の辺り直りにくいな…)


洗面所の水で手を濡らし、一部湿らす
フワッとヘアードライヤーで整える



(…んーそうだ、いっそのことぉ(ﾆﾔ)



「えっ…あの黒羽君！

…わー！」

………………



「よしっと！
どうせならこの方がいいぜ(ニカッ」


「っ////」

目の前に毛先の方をカールさせたA


Aの時はセミロングだけど
いつもストレート


こういう風にしたところも見てみたかったんだよな

(うん…いいな、流石俺)

自分の変装のため技術を磨いたけど、
人にやるのも楽しいな
後ろ姿をみてそう思った

68:ボケてる私→←66:お寝坊さん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す