華麗なる奇術師たち 1【怪盗キッド】

34:もう、君のせいだから ページ34

「寺井ちゃん、あのさぁお願いがあるんだけど、」


「RUI様なら、ウィリアムホールで催されるショーにいらっしゃるかと」

「さすが寺井ちゃん」
(相変わらず調べるのが早い笑笑)

そういいながら俺たちは足早に家を出た



RUI side

(ふぅ……やっとリハーサル終わったや)

夜になって夕飯の神田さんのお弁当を食べる
ちなみに神田さんは私の付き人のこと

神田さんには今日のことは言っていない
いつも心配してくれているのに、
これ以上心配させたくないから


(ぁ、そういえば、お昼食べるの忘れた…

…まっいっか笑笑)



////


そのあとすぐに思い出したのは他でもない彼だった


(何であんなことされたんだろう///
全部黒羽君のせいなんだから……)






…………

あのあと…


(ぇ？…)


私が感極まって涙を出したら
フワッと腕を軽く持って
引っ張られて抱きしめられていた

「もう深く考えなくていいから…
だから泣くなよ」

(ちょっ……え？)
いきなりそんなことされて驚いた


「大丈夫、きっと見つかるさ…お兄さん…

それにこれで俺がAの悪夢から守ってやれる…」


(////ちょっと待って

何気なくさらっといってるし
それになにこの状況…
すごく恥ずかしい…

顔が火照って焦るんだけど……)


それなのに更に強く抱きしめられていく

「それに…Aの気持ち、
俺にも分かるからさ…
俺達…結構似た者同士だと思ってたんだ

Aの正体を知ってからずっと…」


「……そう……なの？」

(あのぉ、もうはなしてほしいんだけど……///)


「だから俺は……」


振り払えないけど
今のこの状況が恥ずかしくてたまらなかった

だから深く考えないように話に集中して
耳を傾けてたのだが…


そのあと一向に何も話さない彼
顔もみえないから表情も分からない


(……ぁ、寝てるわ)

規則的な呼吸が聞こえた途端、そう悟った
(なに、もう……勝手な行動しといて////)


私のこと心配してくれた彼もKID
私と同じように昨日もあのパーティーにいて、
自分の仕事を全うした

疲れてるんだろうってことは重々分かってる
だから仕方ないとは思うけど

……どうしてこの人はKIDをやってるんだろう？
一番肝心というか初歩的なことに今更気付く

きっと彼が悪い人じゃないって分かってるから今まで疑問に思わなかったのだろう
じゃなきゃこんなに彼に安心感も抱いてない

似たもの同士か…
いつか彼が私の話を聞いてくれたように、私も彼の話が聞けたらいい……そう思った

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