華麗なる奇術師たち 1【怪盗キッド】 (ページ12)

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12:いよいよ開幕！！magicshow ページ12

Kaito side

…彼奴が部屋を出た後、俺は考えた

(きっと俺の正体…
黒羽快斗であることを知っている…

だとしたら誰だ…

…とにかくまずは部屋から出て
しばらくウエイトレスで様子見ておこうか
彼奴にはもうバレてしまっているけどな…焦)

RUI side

(…あーやっと解放されたぁ
何でだろうな
そうなんでヒントを与えるようなことしちゃうんだろうか
まるで正体を知ってほしいみたいじゃん

ったく、相手は職業的にライバルでもあるし
学校行けば同じ箱に居るし、
勘も人一倍鋭いはずだから
気を引き締めていかないと)

そう思いながらも私は心のどこかで彼を信じ始めていたのかもしれない

………

「ワァー!!!」
「おおっ!!!」
「キャー!!!」
少し前倒しにさせてもらって早くショーを始めた

(終わらせて帰りたい、
明日だって学校あるし…汗
キッドも代わりやってくれなさそうだし

明日サボったらバレるよなぁ)

なんだかんだ考え事はしてしまっている

(ってかさ…キャーって何、キャーって
もう…私女ですよ…あはは苦笑

今日は宝石spotlightに因んで、光のマジック、
イルミネーションマジックと火を使ったマジックを披露するんだけど

最近似たようなネタしかやれてない気がする
マジシャン的にはちょいと厳しいものがあるよねぇ

それにしても照明の確認出来て良かった、
やっぱり暗幕も必要だったね

舞台に立って照明何処ですか？
なんて滑稽な事があってはならないもの)

光の後の火のマジックに突入し
もうそろそろ終盤になってきた

(ふう、やっとここまできた
そろそろあれ出しますか)

あらかじめ前に展示してあった軍手を
持ってこさせて手袋をとり、
右手だけ軍手をはめる

(はぁ、軍手はめたくないなぁ…
手に細工してあるから正直暑い

大体、ホントに素肌みせたら
女ってバレちゃうし

やっぱりマジックより素性が大事なんだよな)

蝋燭に火をつけて
(よっと…)

指を弾いたと同時に人差し指に炎がうつる
(ぁ、大丈夫だな…暑いけど熱くない…暑いけど)

驚きと悲鳴が渦巻く
(いや、熱かったら私、火傷して悲鳴してますから笑)

手を握りしめた
また悲鳴が聞こえる

「私の手は大丈夫ですよ？微笑」
また悲鳴というか黄色い悲鳴が聞こえる……
(はぁ…悲鳴しないでって意味なのだけど…)

彼女達はRUIは夢中らしい

ゆっくり手を開くと、コインがある
机に落とす
それを繰り返す

段々火を灯す指を増やして、その分だけコインを増やしていった