華麗なる奇術師たち 1【怪盗キッド】

40:ただ伝えたかっただけ… ページ40

「ってことでA、
……おい、A？怒ってるのか？」



(……ぇ？)


「…おい…大丈夫か？」

いつの間にか黒羽君が覗きこんでて……



「わぁ!!、 いっ！！！たぁ…

…はぁ……ビックリした……」

物凄く近くて
驚いて無理に身動ぎして肩を痛めた


「なにやってんだよ……どうした急に？」
心配そうな表情で彼は私をみた



「ごめんね、考え事してた……

あはは」苦笑

(心配させてごめん、
あとちがうの
怒ってるというよりはむしろ嬉しくて…


久しぶり過ぎる休みに急に
有頂天になっちゃったんだよね)



「ったく苦笑……しっかり休めよ？」

と頭に手を乗せてポンポンってやってきた



「……」
なんだろう、なんだかなつかしいな
久しぶりに誰かにやってもらって気がする


「…………///ってことで俺行くわ…




…またな？」



「…………ぁ……うん」



(なにこれ……////
そっちがやったのに照れるとかなによ

こっちまで恥ずかしくなるし

って、もう行っちゃうんだ、
まぁそうだよねもう8時過ぎてるし…

…ぁ………)


「……!!!…

…ん？どうかしたのか？」

私はいつの間にか彼の袖を掴んでて…



「ぁ……うん……えーっとその




助けてくれてありがとう……


…そ、それだけ
ま、またね////」

なんかお礼がしたかったんだけどなんか言ったら照れ臭くて咄嗟に手を放して、
俯いたまま手をふった


「お……おお…
…大したことねーよ…


…じゃな」

彼もそういうと私の様子を察して
寺井さんと病室から出ていった



「ぁ……私もお送りにいって参ります」

神田さんがその後を追っていく





(……ひ、一人だ……



……ってか休みだよ!!!久しぶりの!!!……


マジかあ…
何やろうか…

勉強は学校のときやればいいから
読書？寝そうだよなあ
寝たらもったいないもんなぁ
あーでも入院だから寝なきゃいけないんだっけ？)



病室に居てほぼ寝るの世界、ほぼ何も出来ない
なのになぜか私は解放された気分で、
何やろうか思いを巡らせていた


とはいえ何もやることが思い付いてもどれにしようか迷う


(んーでも結局、最終的にアレになるんだろうなぁ……



マジックの研究…
レパートリーを増やすために…
って仕事とそう変わらんやん！
なんちゃって笑)
ノリツッコミをして自然と笑顔になる

何をしようか考えるだけでも
楽しいと思えるのだから私は単純だ

あまりにも自由な日が私には
とてもまぶしくて

久しぶり過ぎた

41:ヤベっ、焦った→←39:彼を……信じてもいい？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す