第４９話 ページ7
……少々行き詰った。
そろそろ目が痛くなってきたので小休憩と行こう。
机に突っ伏している快斗さんに目をやる。
てっきり、予告状でも草稿しているのかと思えばただ世界史の教科書やプリントをぼーと見ているだけだった。
「何してるんですか？」
問いかけると彼は1度目を逸らしバツが悪そうな顔をして「いやあ……」と言い、彼は頬をかいて「ジョゼフィーヌのことについて調べようかと思ってさ。世界史の教科書になら乗ってるかな〜って」と言った。私は呆れた。
「の割には開いてるページ、違うと思いますけど？」
「バレたか、普通に宿題やってた」
観念したように宿題のプリントを私に見せて「ついでに問5の答えも教えて」なんて言った。
「ヴェルサイユ条約の……難しいですね。ってゆーか教科書に答え載ってるんじゃないですか？」
「あホントだ、載ってるなこれ」
私は嘆息気味に全く……と呟いた。
「先週私が代わりに授業出た時はサライェヴォ事件がメーンだったのにもうヴェルサイユ条約の話ですか」
「ああ、世界史の先公は授業さっさと進めるタイプだからな……っていうか、お前さっきから地味に発音いいな」
「え？」
発音？ なんのことだろうか。
少し頭に疑問符を浮かべていると快斗さんは問5の答えを埋めながら
「『サライェヴォ事件』とか『ヴェルサイユ条約』とか。『サラエボ事件』とか『ベルサイユ条約』っていうのと比べて発音よく聞こえる。流石ヨーロッパ育ちだな」
私は成程と納得し、まあねと言わんばかりの表情を浮かべた。
「北欧育ちが関係してるかはわかりませんけど、まあでもあれですよね、日本人は英語の発音苦手ですよね。『R』と『L』とか」
「あと『th』と『S』とか『ce』な、なかなかうまく発音できねえよ」
「面白い話があるんですよね〜。『I eat rice』を『I eat lice』って聞き間違えられたり、『Clap your hands』が『Crap your hands』とか。まあ日本人の発音の下手さはジョークにされてましたよ」
快活に話す私とは裏腹に、快斗さんはハッと息をのんだ。
そして何やら文字をノートに書きだした。
一瞬その行動は理解できなかったが――まあ何か閃いたのだろう、黙って見守ることにしよう。
暫くすると彼は手を止め、携帯を弄りだし何かを確認してフッ……と意味ありげな顔をした。
「Do you something came up?」
わざと耳元で囁きながら聞いた。
すると彼は、意味ありげな顔をドヤ顔へと昇華し「ああ」と微笑った。
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レモン - 楽しく読ませていただいてます！特に、66の怪盗＆探偵の言い回しが好きです！ (2020年7月30日 19時) (
レス) id: 91878b848e (このIDを非表示/違反報告)
欠月(プロフ) - ありがとうございます！イヲハさん、神ですね！(泣) (2017年4月16日 21時) (レス) id: 3f5aeeaaec (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 欠月さん» コメントありがとうございます。私はバーボンの方が好きですｗ。赤井さんはちょっと完璧すぎるので…。赤井さん派多いですよね……。この作品にもちょいちょいバーボンを出せるように頑張ります。 (2017年4月16日 21時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
欠月(プロフ) - イヲハさんもバーボン好きですか？私は大好きです！でもでも、友達みーんな赤井派なので、イヲハさんがバーボン派で良かったです！ (2017年4月16日 17時) (レス) id: 3f5aeeaaec (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - のんのさん» コメントありがとうございます。そうなんですか……コナン好きは多いと思うのですが汗 楽しんで頂けたら何よりです！ (2017年4月9日 2時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
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