奇病棟脱出ゲーム

　第十八話　薔薇の双子（？） ページ20

…そういえば、最近テンノコエさん見ないな。
　いや、『聞かないな』だ。

　…峯ちゃんの時にもこの脳内やりとりしたな。



　…暇だな。

「暇だな。」

「にゃい〜のん」

「ねぇ、その鳴き声どうにかならないの？」

「ミャー？(何のこと？)」

「あれ、寝る時に思い出して笑いすぎで窒息しちゃいそうになるんだよね。」

「にゃい〜のん」

「君は主人を窒息させたいのかな？酷いよ？」

　そんな暇なやりとりをしているうちに、また下が騒がしい事に気がついた。そういえば、そろそろお昼時か。乳母さんから多少の料理は教わったし、何か手伝えることがあるかもしれない。

「一実さ〜ん、何か手伝える事ありますか？」

「お気遣いありがとうございます、大丈夫ですよ。午後から新しい患者さんが来るだけなので。」

　あ、そういう事だったか。

　でもせっかく降りて来たので、虹夏さん達とはんばーぐ作りを手伝う事にした。でも生肉の取り扱い方が分からなかったので、綴さんと一緒にでざーとのくっきーを焼く事にした。そこでもちょっと焦がしてしまって、ものすごく不甲斐無い気持ちになった。

「一実さん、ローズブレイド姉妹の収容準備が出来ました。」

　峯ちゃんの声がする。こんなに頻繁に聞くのに、姿が見れないなんて…。

「イザベル・ローズブレイド。今日からここで世話になる。」

　入って来たのは、くすんだ緑色の髪に赤いつり目が特徴的な女の人だった。その後ろに、赤毛の眼鏡をつけた子がいる。双子だと聞いていたが、はっきり言ってあまり似ていない。二卵性双生児だったんだろうか？

「はじめまして…アナベルと言います。まぁー、適当に三つ編みカプ厨とでも呼んでください。」

　…かぷちゅう。

　何だそれは。何語なんだ？三つ編みに関係してる事なのか？

　後で聞いてみたら、「永遠にその尊い状態でいて下さいね♪」と言われた。何この人。

　

　

　

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