第十三話 人面犬 ページ15
ついに、朝が来てしまった。
昨日は侵入が二件と発見が五件ほどあったので、テンノコエさんの問題の答えを考える暇がなかったのだ。
…という言い訳をみんなにはしようと思っている。
意を決して寝室の扉を開き、少し歩いて階段を降りる。今日はやけに静かだ。
こういう時は、大抵一実さんがピリピリしている。そして、高確率で新しい人が入ってくる。
…下には、誰もいなかった。
慌てて時計を確認すると、朝五時だった。どうやら随分と早起きしてしまったらしい。
「寝るのも勿体無いし、ここで待つかぁ…。」
その時だった。部屋の違和感に気がついたのは。
いつも花夜さんがいるあたりに、真っ白な小さい箪笥が置かれている。箪笥と言っても下の方の大部分は空洞らしく、そこに毛布が詰め込まれていた。
そしてそれが、規則的に上下しているのだ。
恐る恐る近づいてみると、毛布から赤茶色の毛がこぼれていた。大型犬とかだろうか。
犬は割と好きなので、手を伸ばし、なるべくそーっと毛布をめくる。
そこにあるのは、人間の寝顔だった。
「うわあああ!」
「ぎゃあああ!」
その人間は、子供だった。ブカブカの服に身を包み、絆創膏を大量につけている。
そして、その子供は箪笥から出ようとして盛大に転んだ。
運悪く箪笥には車輪が付いており、子供の服が引っかかって横転した。そのまま私も巻き添えになった。
…どれ程の時間が経っただろうか。物音を聞きつけてか、他の人達も降りてきた。
帯が緩んでいて恥ずかしい。私も洋服にしようかな。
「…で、あなたが今日から新しく来た職員と…。」
「はい!俺です!」
「現場は窓際部署じゃないんですよねぇ…。」
なかなかに酷いことを言ってるな…ていうか、この子職員なのか…。
「おはようございます!先魁深漓亜です。チビって言ったら殺します。小学生女子って言っても殺します。よろしくお願いします!」
「「「「わぁ…」」」」
なかなかに物騒な自己紹介だ。既に何人かは引いている。
「では、早速仕事をやりますね!」
「で、では、階段の掃除を…」
「了解です!」
そう言って、すぐに自分の服につまづいた。先が思いやられる…。
「先輩、おはようございまーす」
「あ、ようやく来ましたか。今日から六人の患者さんと備品をいくらか壊しそうな方が入るので、過労死の方だけお願いしますね。」
…職員さんも、大変なんだなぁ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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TELUM(プロフ) - 遅くなりました。柚丘双子の登場、ありがとうございます〜!楽しみにしてました! (3月2日 20時) (レス) @page47 id: 5d555315d2 (このIDを非表示/違反報告)
なゆた(プロフ) - ta-tさん» ありがとうございます…裁判はもうすぐ終わるらしいので、どうか更新を気長に待ってくださいませ。 (2月18日 12時) (レス) id: eed7d7e7dd (このIDを非表示/違反報告)
ta-t(プロフ) - ひゃあ!英と凌真の会話が尊い…!新しい職員さんでまともなひと…ハッ!まさか!楽しみだな〜(気づいた) (2月18日 11時) (レス) @page47 id: 02b235c213 (このIDを非表示/違反報告)
なゆた(プロフ) - ta-tさん» むつらちゃんはギャルですからね…ちゃんと会えると良いのですが。 (2月10日 13時) (レス) id: eed7d7e7dd (このIDを非表示/違反報告)
ta-t(プロフ) - 凌真君、凌真っちとか呼ばれてるwというか凌真君に会えるのかな?2月18日がすっごく楽しみです! (2月10日 12時) (レス) @page47 id: e610480f93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*つら* | 作成日時:2023年10月18日 17時