人狼ゲーム～君に伝えたかったこと～ (ページ6)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:9,095 hit

005：しずまんページ6

静真side

「時弥さん！？死んじゃうかもしれないんですよ！？」

そばにいた茜ちゃんが必死に時弥さんの腕にしがみついていた。

「いえ、俺が吊られます。」

俺はゆっくりとみんなに告げた。
先程まで時弥さんのところに詰め寄っていたメンバーが今度は俺のところに集まってくる。

このゲームが本当かどうかは俺にもわかりませんが、きっと原因は紫炎狼にあるのでしょう。ここはこのグループを作りみんなを巻き込んでしまった俺が責任を取るべきですよね。

「紫炎狼のリーダーとして、仲間に死なれるのは嫌です。例えゲームだとしても」
みんなにそう告げると部屋が何度目かの沈黙に包まれた。

「静真くん、君はまだ高校生だろ？ここは最年長者としてかっこつけさせてくれよ」
そう言ってにっこりと微笑む彼を前に俺は何も言えなくなった。

『1時間経過しました。話し合いを終わりにします。ここからは自由行動です。夜７時にもう一度ここに来てください。』
放送が終わったあとも誰も動くことが出来なかった。

全員がその場で悩み、あっという間に時間が経った。

俺は最後まで自分がどうすればいいのか結論が出せずにいた。

『それでは投票を始めます。せーので指さして下さいね？せーの!!』
俺は目を瞑り自分を指さした。ゆっくりと目を開けると他の人は下を向いたまま時弥さんを指している。

『初日処刑されるのは時弥さんです。それでは処刑部屋に入ってください。』
茜ちゃんが心配そうに時風さんの方に寄っていくが彼は笑っていた。

「大丈夫だよ、これはただのゲームだしね。」

それから俺の方に来ると
「みんなをよろしくね」
と声をかけ隣の部屋に移動した。

「うっ…かはっ……」
しばらくすると隣の部屋から苦しそうなうめき声が聞こえてきた。そして訪れる沈黙。全員が一斉に隣の部屋に駆け込む。そこには、床に倒れ込む時風さんの姿があった。

志穂さんが慌てて駆け寄り脈をはかる。

「そんな…死んてます。」

その言葉を聞いた瞬間俺は頭が真っ白になった。