004:モノクロアリス ページ5
日和side
静真の一言で、私達の会議が始まった。
「俺は信じてないよ。」
嘲笑混じりに蓮君が言った。そりゃそうだろうな…。ってか、信じてる人、逆にいるの?こんなの。
…誰かの遊びでしょ…。
「……いや、実際のとこ、わからねぇよ。」
そう呟くのは私の弟、日向。
「何を根拠に…」
「だってさ、ここまで手の込んだこと、イタズラでできるか?」
そりゃ、確かにね、めんどくさいとは思うけど…。
「それに、俺ら…紫炎狼だし、誰に狙われてるかわからねぇよ。」
「……っ!」
紫炎狼というワードに、私は何も言えなくなる。そうだ。私達の立場を忘れちゃダメだ。あくまで、私達は…
カ ラ ー ギ ャ ン グ
なんだから…。
それに、日向は昔、あんなことがあったから、尚更不安なんだろう…
「日向先輩、まだ、どちらとも言えない状況だし、あまり暗い空気にするのも…。」
遠慮がちに茜ちゃんが日向に諭すように呟いた。
「あ、あぁ…ごめん。」
「…ねぇ、とりあえずさ、話し合いしない?……人狼ゲームのシナリオ通りにしなきゃダメなんでしょ…?」
「そうだな、蛍の言う通りだ。…じゃ、どうする?占い師はCOさせちゃうか?」
京夜の言葉に、みんな賛同した。
「じゃ、占い師いるー?」
私がそう言うと、隣に座っている日向が手を挙げた。
「CO。俺が占い師だよ。」
「え、アンタ占い師だったの?」
「悪いかよ。」
「いや?別に。」
ちょっと意外だっただけだしー。
「他には…いらっしゃいませんか?」
志穂がキョロキョロ確認するけど、誰も手を挙げることはなかった。
「じゃあ、日向さんを信用しても良い…ということで良いですね?」
静真がそう聞くも、日向は「信じたければ、信じれば良いんじゃないか?」と返す。
あぁ…日向が占い師かぁ…。敵になっちゃったなぁ…。
やりずらいことこの上無い…けど、ま、負けないし。
弟に負けるとか、ダサいでしょ。
「あ…そうだ。一日目で確か…もう吊るんだったよね…。」
時風さんの言葉で、またこの部屋には暗い空気が漂った。
信じてないとはいえ、やはり不安なものは不安なのだ。
誰だって同じ。死にたくはないんだ。
「…。僕で良いよ。」
静かに時弥さんが呟く。
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