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俺はその本が気に入ったから、続編を買うことにした。
書店でこの二巻目を買ったとき、店員に「珍しいですね」なんて言われた。
まぁ、俺はいつもは魔術の本とか、ファンタジーものばっか読んでるからなぁ…
恋愛ものなんて全然興味なかったが、なんていうか…この主人公に惚れた。
まぁ、実際はこんな奴、いないんだろうな…なんて残念に思ったりもした。
早く家に帰って読みたいという気持ちが俺の足を前へ前へと進める。
ふと、そんなとき、俺の目線とある目線がぶつかった。
「…お前は…？」
俺の行く先に俺に向かって立ち止まっている少女の姿があった。
「私？私はA。」
彼女の声は透き通っていて、聞いてて心地よくなる様な声だ。
ブロンドヘアもきれいに下ろされていて、したの方が少し、フワッとしている。
淡い青色の目は、まるで空のようで、吸い込まれていきそうだった。
簡単に言えば、かわいい。その形容詞が一番ぴったりな少女だ。まるで物語からフッと飛び出してきたような…
「あなたは？」
「俺はアーサー。…アーサー・カークランド。」
「へぇー。」と言いながら、俺に近寄ってくる。
「よろしくっ！」
Aはそう言って、右手をつきだした。
「はぁ…？」
まさか初対面で、しかも、ここで偶然ばったり出会った人によろしくだぁ？
「知らないの？握手よ。握手！」
どうやらAは俺が握手を知らないで、「はぁ？」と言ったのだと勘違いしたようだ。
「ふっ…くっ…あははっ。」
思わず笑いが込み上げてきた。抑えようと思ったんだが、無理だったようだ。なんつーか、メチャクチャ不思議な奴だし、おもしろい。
「な、何笑ってるのよ…」
「あぁ、すまんすまん。つい…。よろしくな。」
俺らはその場の成り行きで握手を交わした。
俺が彼女の手を握ったとき、何か違和感感じた。
こいつ…フツーじゃねぇ…
何か、人間でもない、国でもない、妖精でもない雰囲気だ。
よくよく考えてみれば、何故俺に話しかけたんだろう…そこから謎だ。
「いきなりでわりぃんだが…お前って何者なんだ？」
Aは少し悩み、
「２文字のもの。」
と言った。２文字って…ヒトか？
「私なんて何者でも良いでしょ！…あっ、強いて言うなら、アーサーの友達。今、友達になった！決定！」
なっ…
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