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「かさくん、それ持ってってね。」

「承知いたしました。」


目の前で淡々と行われる荷物運び作業。船長たる月永さんの命により、部下達がせっせかと私の部屋作りをしている。

私も手伝おうとしたが、瀬名さんにどっかで座って待ってろと言われてしまったので、最初に運び込まれたソファに座り、作業をぼーっと眺めている。


うーむ…私は戦力外だとでも思われているのだろうか…

それにしても、


「Aちゃんの服とか、諸々は次の村で買えばいいかしらぁ?」

「そういえば、兄者から色々送られてきたヤツ、いらないしあげるよ〜」


本当にここに住むんだなぁ…

スバル達は心配してくれてるのかなぁ…
あの女の子は大丈夫だろうか…


いや、考えてても仕方ない。

それに、私の生き方はあながち間違ってないじゃないか。
元々余所者だった訳だし…


それにしても心残りはまだまだある。


「……はぁ…」

「だーれだ」

突然、誰かの手によって視界を遮られる。

確か、下の4人は忙しそうに働いていた。
それに、こんなことするのは1人しかいないだろう。
ここの住人は個性が強すぎるのだ。


「月永さん、どうしたんですか?」

「なんだよー、反応がつまんないぞ〜?」


ぱっと手を離されて、急に目に光が入ってくる。
思ったより眩しくて、目を細めてしまう。

「そんなこと言われましても…」


「なぁ!」


船内案内してやるよ

彼の一言で、船内案内という名の探検が始まったのだ。

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作者名:モノクロアリス | 作成日時:2017年6月23日 10時

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