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其の六十六 ページ38

私達は音楽室の椅子に着席する。

どうやら、観客が揃うとエリーゼのためにが鳴るらしいんだけどね…


いつもは何とも感じないヴェートーベンやモーツァルトの肖像画がやけに奇妙に見える。
夜だからかな…


「…鳴らないね…」

「あぁ、」




席に着いてから約5分。
さすがにこれ以上ここにいてもどうしようもないので、そろそろ出た方が…

あ、でもなぁ、久しくピアノ弾いてなかったし…


え?私、ピアノ弾けるよ?うん。


「ねぇ、私が弾いてみても良い?」

そう聞くと、石倉君は頷いた。



久しぶりだなぁ…
中学生以来…かな。


一応、これでもピアノは弾けるんだよ?
母親が有名ピアニストなんだよね…。
で、父親が音楽家。

よくわからないけど、いろいろやってるみたいね。



今だってオーストリアに行って研究してるの。



イスを引いて、座る。
カバーを開くと、鍵盤が並んでいる。…いや、当たり前だけど。


ポロンポロンっと少しだけ鍵盤を弾いてみる。




「懐かしいなぁ……」


よし、弾くか。



私は指で鍵盤を弾き、音色を奏でる。久しぶりのこの感覚にどこか違和感を感じる。


序盤を弾き終わりくらいから、石倉君が隣に近付いてきた。



そして、鍵盤に触れた。



綺麗にマッチしている……

連弾だ…





約3分。

演奏が終わった。


「…すごい…石倉君って、ピアノ弾けるんだ…!」


「いや、そんなことないよ…。ちょっと習ってただけ。」


彼はそう言ってるけど、スゴい。これは本心。

だって、さっき弾いてたのはオリジナルのハズだから。



そんな即興で弾けるなんて、私が言うのもあれだけど、大したものだし。



「……なぁ、そろそろ行かないか…?時間が…」

「あ!うん、そうだね!」



私達は音楽室を後にした。



その時、かすかに拍手の音が聞こえた気がする…。

そう、気がしただけ。




_また、弾いてね_

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モノクロアリス(プロフ) - フヨフヨ(´Д` )さん» おー!888できれば、ここにログインしたやつでコメントしてくれないかな?そっから飛びますから! (2017年3月22日 20時) (レス) id: d795d01c61 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロアリス(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!これからもがんばって更新していくので、よろしくお願いします! (2017年3月22日 20時) (レス) id: d795d01c61 (このIDを非表示/違反報告)
フヨフヨ(´Д` ) - ログインしましたよー、名前もハルバルに変えましたー!! (2017年3月22日 10時) (レス) id: daa35ab10b (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 続きが楽しみです!!更新待ってマース! (2017年3月18日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロアリス(プロフ) - フヨフヨ(´Д`)さん» お元気ですぅ((((お疲れ様~!第一志望合格しました!!888ウェイ。ログインできたらまたボードで話そ~ (2017年3月11日 13時) (レス) id: f594ebc912 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モノクロアリス | 作者ホームページ:  
作成日時:2016年10月14日 7時

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