お願いです、日常を返してください。第二巻【妖怪松】

其の五十九 ページ30

「そ、せーかい。」


この松が、俺らの母さん。




おそ松が言った。



松が…お母さん……？



「なんの冗談？」

「冗談じゃないっての!!」



それからは六つ子ががんばって私に説明してくれた。

まぁ、いろいろ言ってたけど、要約するに



気が付いたらこの松の木の下にいたって訳。


思ったより単純だった。



勝手にこいつらがこの松を母親だと呼んでるだけらしいし、自分らが兄弟だって言ってるだけらしいんだよね。

あと、今更知ったこととして、

長男から

おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松なんだって。



「何でその順番なの？」

「目が覚めた順。」

「よく覚えてたね、」

「そこはつっこんじゃダメだよ。」


すいませんね、チョロ松様様




ひゅぉおっと、少し強めの風が吹いた。


「みんなの、お母さんか…」




みんな、元気よくやってますよ、

私も仲良くさせてもらってるし…




まぁ、よろしくお願いします。



「…ね、帰ろ。」


そう言うと、トド松が少し驚いた顔をした。

「もう？良いの？」

「うん、良いの。」



「そっか、じゃ、帰ろ」



●○●



「じゃあ、あんた達が違う種族なのも、理由は不明ってことなの？」

「…まぁ、ぶっちゃけ。」



へぇ…


謎はいろいろとあるけど…


こいつらもそんな気にしてる訳でもなさそうだし、いっか。

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