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夜、いつものように寝る準備を全て終え、電気を消してベッドに飛び込む。

大好きな彼に、いいよ〜、とメッセージを送るとすぐに電話が来た。


画面中央に映る“ 角名倫太郎 ”の文字に緩む頬を感じながら、応答ボタンを押す。



『もしもーし』

「もしもーし」

『今日も一日おつかれ〜』

「ん、Aもおつかれ」



いつもの決まりきった会話を終え、たわいのない話をし始める。


倫太郎とくだらない話をして笑い合う、何気ないこの瞬間が私は1番好きだ。


遠距離で会えないことについて何とも思ってないか、と言われたら嘘になる。

けれど、時間があったらすぐに返信してくれたり、音声通話やビデオ通話までしてくれたり、それに加えて沢山の愛の言葉を囁いてくれる。そんな倫太郎が私は大好き。



『あ、そういえば倫太郎に聞きたいことがあったんだけど』

「え、なに?」

『倫太郎って私のこといつから好きだったの?』

「うーん…秘密」

『えーいいじゃん教えてよ』

「フフ、いつかね」

『…約束ね?』

「ん、約束」



その後もしばらく倫太郎との会話を楽しむ。

聞き心地のよい倫太郎の声を耳元で感じていると、少しずつ眠気も襲ってくる。


話が一段落したところで、チラッとスマホの時刻を見ると、いつも寝る時刻を過ぎていた。



『あ、そろそろ寝ないと』

「ほんとだ」



もっともっと話したいなぁ、なんて思い、もう寝ることを少しさみしく思う。

すると、大好きな倫太郎の声で「A」と呼ばれ、『なーに?』と返事を返した。



「A、好きだよ」



痺れるような甘い声で囁かれて、キュンッと心臓が高鳴るのがわかる。

付き合ってからの倫太郎は、よくこうやって私に愛の言葉を囁いてくれるようになった。


…嬉しいんだけどさ、私の心臓が持たないの!



『わ、私も…好き』

「んふ、かわいい」

『〜〜っ!おやすみ!』

「ふっ、…おやすみ」



倫太郎の低く落ち着く声で“ おやすみ ”と言われ、だんだん瞼が重くなってくる。

もう私はこの声無しでは眠れないだろうな、なんて心のどこかで思う。


これからもずっと、この睡眠薬は、私だけが手にできるものでありますように。





今日も、角名くんと寝落ち電話。


△→←▽



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宮兄弟最推し - 最近ハイキューのオタクになって、読むの、投稿されてかなり遅くなりましたが、最高です!胸の奥がギューンてなりました。 (5月20日 20時) (レス) @page48 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
名無し23523号(プロフ) - めちゃくちゃリアル、私も時々寝落ち通話する男の子がいるのでわかる〜!!ってなりながら読んでました笑面白かったです! (2022年1月1日 20時) (レス) @page48 id: 0378de78dc (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - ばりええ話でした!この話好きです!他のキャラの寝落ち通話話とかみてみたいです! (2021年10月25日 2時) (レス) @page48 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺にいる低音野郎、(プロフ) - もう最高でしたッッッ‼‼‼‼更新無理せず頑張ってください‼‼‼‼ (2021年10月17日 20時) (レス) @page26 id: aed207b57b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たみ | 作成日時:2021年10月7日 23時

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