検索窓
今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:74,044 hit

逃亡2 ページ43

.



「ッ!!ヒュッ……!!」




ドサリ。と何かが落ちるような音と、繰り返される荒い呼吸。

が、遠くで聞こえる。

体に、感覚は、ない



もう、死んだ……?




よく分からないまま、私はてを動かしてみる。けど、死んでいるせいか、手が動いているのか、分からない。

というより見えないのだ。




でも次第に、遠くにあったはずの荒い息づかいが、近くで聞こえ始め、動かした手が、暗闇の中で浮かび上がり始める。


見え始めたのは、手だけではなく

回りの景色。



ぼんやりとした視界の中、私は床を見つめている。
けど、定まっておらず、不安定だ



私は、死んでいなかった………?


声を出そうにも、自分のものじゃないみたいで、声が出せず、ただ息をしている。


荒い呼吸は、わたしのものだったんだ



完全に戻った感覚達。



心臓が血液を送り出し、体内に巡っていくのが、暖かく感じられるような気がした。そして、脳まで行き渡る。

それが何回か行われると、ズキズキと痛む脳の痛みがおさまってきた。




見上げると、未だに無惨さまが私を睨み付けている。

赤く、冷たい瞳で見下ろしている
ただ無惨さまより、その後ろにある窓にめがついた。



あそこから

逃げられる

あそこから、なら



父さんから

鬼舞辻無惨から





私はなけなしの力を振り絞り、立ち上がる




無「……」




けど、私の首をもう一度絞めたいのか、何がしたいのか。無惨さまは私に手を伸ばしてくる。

思わず目をぎゅ。瞑る。


もしかして、バレた……

またくるしい___




『……?』




その手が、そっ。と頬に触れる



え?


その優しい……さっきまでとは全く違う触れ方に激しく戸惑いを覚えた。

まるで何か鈍器で頭を殴られたかのような、そんな衝撃。で、目眩がする。



けど私は、ひたすら逃げることが、逃げることだけが頭で一杯だった。

私は恐る恐る瞳を開け、無惨さまを目に映した。


眉をぐっとよせ、口を真一文字に結び、どこか苦しそうだなカオ

見たことのない

人間味の帯びたカオ



頭のなかで、私の声が響いて、訴えかけてくる。



私、もう無理だ…

これまで従順だったのは、きっと、どうかしていたんだよ……

だって本当の私は、こんなに逃げたがってる。






.

逃亡3→←逃亡 1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
190人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼舞辻無惨 , 童磨   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

はるか - けいどくでしゃくしゃくで。。逃亡者どうまにあったらいいな。。もし、屋敷につれていかれたり。。 (2020年12月16日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ちょこざいですね。中国語では失う鬼の漢字がはいっているんですよ。 (2020年12月8日 12時) (レス) id: d87eae5019 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ろんり的をやぶるのもどうまらしいです。笑った顔を見たことなくて嫉妬したみたいです。後、前回のは魑魅魍魎ちみもうりょうです。そして無惨をドラゴンにたとえて、ドラゴンロード。楽しみです。 (2020年12月4日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 魑魅魍魎があらわれておもしろくなりました。 (2020年12月2日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ぶりょうをかこつなくてよかったね。頑張って。 (2020年11月23日 19時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年11月4日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。