猗窩座 壱 ページ38
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『あぁ……童磨が……』
意外にも私は、童磨を心配した
飛び散った赤を袖で拭うと、散らばっている童磨の破片を、一心不乱にかき集める。
あの虹色の瞳も、粉々で
どこにもない
でも床からもう一度童磨に視線を戻したときには、何時もと変わらない童磨の虹色の瞳。
??「その女に触れぬ方が良いと、言ったはずだ……上弦の弐。
こうも飽きずに通いつめていたとはな」
顔に変な模様のある、睫の長い、綺麗な青年。いや、鬼だ。
瞳には、”上弦の参”という文字が刻まれている。
一方の童磨は、顔を粉々にされたというのに、ケタケタと楽しげだ。
やっぱり鬼って、感覚が違うんだ…
そんな童磨を、心底気持ち悪がるような嫌悪の色が青年には見えた。
童「おやおや!猗窩座殿!いやぁ、なかなか素晴らしい払いだったけど、やはりまだまだだねぇ!!」
その挑発的な言葉に、猗窩座 と呼ばれた青年はピキ。と額に青筋を浮かべた。
ちょっと待ってくれ。
素晴らしくなんてない。どうして、何故?鬼同士なのに__
『駄目です。……きちんと、謝ってください……!!』
この人には、悪いことを自覚をしたことはないの?鬼だから、生きているし大丈夫だけど、きっと痛い__
けどとにかく駄目だ。
自分でも調子に乗っていると思う。戦っても勝てないような鬼を前にしているのに。無惨さまがいないからって。
鬼との生活が長すぎたから?
猗「何だお前は。俺に説教を垂れるつもりか?力の無い癖、無惨さまに生かされている…あのお方の犬の分際で。」
童「まぁまぁ二人とも!これはよくあることよ、ねぇ?猗窩座殿!」
その猗窩座と呼んだ青年の方を振り替えって笑いかけているけれど、童磨は、猗窩座に嫌われているらしい。見るからに、猗窩座 は嫌そうな顔をして、低い声で喋り始めた。
猗「お前には何度も言ったはずだ。上弦の弐。あの御方の言いつけを破るな。匂いが移る前に、早く離れろ」
童「あぁ!何時も言ってくれていたね!うん!有り難う猗窩座殿!
俺の心配をしてくれて!いやぁ、優しい!」
猗「……」
童磨の勝手な解釈が気にくわないのか、もう一度猗窩座は、腕を振り上げた。
溢れんばかりの殺気が、青年から漏れ出ている。
咄嗟に童磨にてを伸ばす。
けど童磨はニコニコと笑っているばかりで、逃げる気配はない。
何やってるのよ……!!
そう思いながらも、私はかばうように童磨の体を抱き締めた。
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はるか - けいどくでしゃくしゃくで。。逃亡者どうまにあったらいいな。。もし、屋敷につれていかれたり。。 (2020年12月16日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ちょこざいですね。中国語では失う鬼の漢字がはいっているんですよ。 (2020年12月8日 12時) (レス) id: d87eae5019 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ろんり的をやぶるのもどうまらしいです。笑った顔を見たことなくて嫉妬したみたいです。後、前回のは魑魅魍魎ちみもうりょうです。そして無惨をドラゴンにたとえて、ドラゴンロード。楽しみです。 (2020年12月4日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 魑魅魍魎があらわれておもしろくなりました。 (2020年12月2日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ぶりょうをかこつなくてよかったね。頑張って。 (2020年11月23日 19時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穴 | 作成日時:2020年11月4日 18時