金木犀 弐 ページ34
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無「お前は静かに起きることができないのか……?」
私が大声で謝りながら起きたことに、五月蝿いと感じたのか、無惨さまはぐっ。と眉を寄せてこちらを見ている。
というより睨み付けられている。
『す、すみません……』
何とか怒られなかっただけマシとして……
一体これはどういう状況なのか。
私、ちゃんと自分の部屋で寝たよね…?
ん??そもそも自分の部屋だと思って寝た部屋がここだった……?それとも寝てる間に……?
状況を整理しかねていると、目の端で、優雅に足を組んで椅子に腰かけていた無惨さまが立ち上がるのが見えた。
それをみて、体が強ばった。
私みたいな駄犬がいつまでもこんな上質な布団の上で寝てはいられない。
さっ。と布団からでて、床の上で正座をする。これならきっと怒られることは無い……はず
無「何故床に座る」
『…私には床が丁度良いので…』
そう言うと、無惨さまはニヤリと妖しい笑みを浮かべた。
無「犬にしては良い判断だ……
足元は蹴りやすいからな。」
『ッ!……』
“蹴りやすい”という単語に昨日の痛みを思い出してビクリと体が跳ね上がる。
びっ…くりした……
私はこれから来るであろうその痛みに身構える
けど無惨さまは私を蹴り飛ばすことはなく、先程まで私の寝ていた高い布団の淵に腰を下ろした。
無「まず服を着替えて顔を洗え。食事を取れ。」
『は、はい__』
無「__それから、その腫れた頬を何とかしろ」
無惨さまは確かに最後そう言うと、一方的に、氷を袋に詰め包帯で巻いたものを押し付けてきた。
と思ったら琵琶が鳴り、部屋が変わった
『え…?』
今、無惨さまはなんておっしゃった?
何とかしろ……?この頬を……?
無惨さまが蹴ったのに……?
自分で触れてみると、頬は晴れ上がっているのが手の感触でもわかる。
そして腫れ上がっていると認識をした途端、鈍く痛みだした。
そして、手に持たされたままの冷たいソレを見つめる。
これで冷やせ……ってこと…だよね…
そして傷を治せ…と…無惨さまが?
今まで何度も酷くされて、痣や傷が出来たことはあるけど、こんなことは一度もない。
有り得ない。
私に優しくして……くださるなんて
昨日と良い今日と言い、一体どうしてしまったんだろう……。
こんなことをされても、碌な…無惨さまがお気に召すような反応は、出来ないというのに………
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はるか - けいどくでしゃくしゃくで。。逃亡者どうまにあったらいいな。。もし、屋敷につれていかれたり。。 (2020年12月16日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ちょこざいですね。中国語では失う鬼の漢字がはいっているんですよ。 (2020年12月8日 12時) (レス) id: d87eae5019 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ろんり的をやぶるのもどうまらしいです。笑った顔を見たことなくて嫉妬したみたいです。後、前回のは魑魅魍魎ちみもうりょうです。そして無惨をドラゴンにたとえて、ドラゴンロード。楽しみです。 (2020年12月4日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 魑魅魍魎があらわれておもしろくなりました。 (2020年12月2日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ぶりょうをかこつなくてよかったね。頑張って。 (2020年11月23日 19時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穴 | 作成日時:2020年11月4日 18時