その女 ページ12
無惨side
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
空っぽな女。
可愛そうな女。
美しいだけの女。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
近頃＿＿といっても、ここ半年ほどのことだ。
下弦の入れ替わりが激しい。
まぁ、何時もの事だ。十二鬼月を築いては見たものの、上限はよいとして、下弦には、いつも頭を抱える。
鬼狩りは＿＿あの異常者らは一体どれだけ私の邪魔をすれば気が済むのか。
腹立たしい。
この五百年間、増やしたくもない同類を増やし続け、青い彼岸花を探させてきたが、こうも役に立たないとなると
増やし続けてきた意味が分からなくなってきた
不愉快きわまりない
そしてつい先日。上弦の伍の兄弟までもが切り殺された。
見るに、相手は小娘一匹。
無限城の中に堕とし、私の前に引っ張り出したものの
見るからに、何もない
ただ美しいだけの女。
異常者らのように鬼に対する憎しみも
大切な者の仇を打つため等と言う下らん情も。
何もない。
何も感じられないのだこの女から。
こんな人間に、力で劣る小娘一匹に、私は煩わされていたのか……？
この女に残っているのは義務だけだ。
そこに意思はない
可愛そうな生き物だ
まぁ、この女がどうであれ、今からその命をむしりとると言うことに変わりはないのだ。
無「…………」
何処かで、見たことのあるような顔だった。決定的に、何かが違うのだが。
ほんの、好奇心だと言えるだろう
目の前で鬼の始祖を前にしても臆することなく、ただ己にかせられた使命のために刀を握っている女との、距離を詰める
『?!』
そしてそのままｸﾞｯ.と顎を掴み上げ、目線を会わせる。
その速度についていけていない女は突然のことに戸惑いの表情を浮かべている。
無「私は…お前を殺す気も、喰う気も、鬼にする気もない。」
“この女を生かしておくことに何の意味がある”
自分で自分に問いかける。
“生かしておくと面倒だ”
“存在を知られ、覚えられてしまった以上生かしておく理由がない”
そう何度も思ったが、思考とは裏腹に、言葉が出た。
安心しろ。
この女をそのまま地上に返すわけにはゆかん。厄介であろうからな
『じゃ、あ、何故?!』
私の言葉に驚き、冷や汗をかきながらもこちらを睨み付けている女。
気付けば、腹部に女の刀が沈んでいた。
いつのまに、と思う程早く。
そして、ぐっ。ぐっ。とその刃を押し込めてくる
まずこの女に必要なのは躾だな…
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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はるか - けいどくでしゃくしゃくで。。逃亡者どうまにあったらいいな。。もし、屋敷につれていかれたり。。 (2020年12月16日 20時) (
レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ちょこざいですね。中国語では失う鬼の漢字がはいっているんですよ。 (2020年12月8日 12時) (レス) id: d87eae5019 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ろんり的をやぶるのもどうまらしいです。笑った顔を見たことなくて嫉妬したみたいです。後、前回のは魑魅魍魎ちみもうりょうです。そして無惨をドラゴンにたとえて、ドラゴンロード。楽しみです。 (2020年12月4日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 魑魅魍魎があらわれておもしろくなりました。 (2020年12月2日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ぶりょうをかこつなくてよかったね。頑張って。 (2020年11月23日 19時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：穴 | 作成日時：2020年11月4日 18時
