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5牙 ページ34

Aside


A「ねぇ、太宰さん。あんな手紙を送ってどうするの?」


太宰「どうするもなにもないさ」


そういってはぐらかす彼は私の頭の上に顎を乗せている


さらに状況を言ってしまえば、私は彼の長い脚の間にすっぽりとはまっている


恋人というものは普段からこうするらしい


そう、事のなりゆきというもので私たちは付き合うことになった


まぁ、大好きだと言ってしまったのだからしょうがない


太宰「ねぇAちゃん、治って呼んでくれないかい?」


A「どうしたの?突然」


太宰「いや、ね。可愛い彼女には名前で呼ばれたいものさ」


そう言うと甘えるように頭上にあった頭を私の肩に落としてきた


なれない感覚に思わず身じろきをする


それを面白がったのか、今度は耳元で「だめかい?」と囁かれた


まったく、やっぱりこの人は女に慣れてるな


そんな事を思いながらスルリと彼の脚から抜け出す


太宰「Aちゃん?」


A「キスしてくれたら呼んであげます」


嘲笑するように言えば、彼の動きがフリーズした


なにを驚いているんだろう


A「まさか私からキスなんて単語がでると思いませんでしたか?」


太宰「いや……あぁ…思わなかったね……」


うわ、失礼な人だ


段々、腹が立ってきたぞ


未だに口が空いてる彼に再びに近く


A「どうしますか?」


さっきやられたように耳元で優しく囁いた、太宰さんの首筋をゆっくりなぞりながら


太宰「まったく、君は…」


そう言いながら彼は立て膝になり私を見下ろした


太宰「私が思っていたよりも色々知ってそうだね」


A「仕事で時々見てたから」


中也兄さんが外のお仕事している時にたまに


少しボウッとしている間に彼の指が私の顎を掴んでいる


そのまま流れるような動きで初めてのキスをした


触れるだけの優しいキス


一瞬、ほんとうに一瞬だった


治「君はまだ未成年だからね、ここから先はまだ早い」


A「今更まっとうな大人のふり?」


治「そうだよ。それより、ほら、約束」


A「ずるい大人は嫌いよ」


治「こんなのずるい内に はいらないさ」


A「治はずるい人だよ」


治「うん、知ってる」


A「満足?」


治「大満足」


A「そう、それで?結局明日はどうするつもりなの?」

さっきはぐらかされたことを聞いてみる

治「なに、大した事はしないよ。君と私の周りにある鎖を断ち切るだけさ」

6牙→←4牙



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櫻色華伝(プロフ) - うそ・・・・。結末に驚きました。夢主ちゃん、ヤバすぎる。こんな物語を書けるなんてすごいです。これからも頑張ってください! (2020年2月20日 14時) (レス) id: 4986846a43 (このIDを非表示/違反報告)
フィリア(プロフ) - この結末は予想外でした。主人公ちゃん、恐るべし (2019年4月14日 22時) (レス) id: 0a8f72cd40 (このIDを非表示/違反報告)
夢ウサギ(プロフ) - 続きが気になります!続編作って欲しいぐらいです!!これからも、素敵な物語を書いてください! (2017年9月15日 2時) (レス) id: f9a036fba6 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(オツキミ)(プロフ) - 続きがものすごく気になります!これからも、頑張ってください! (2017年7月24日 21時) (レス) id: 12832b6b45 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 三歩止さん» 成る程、理解力が無くて申し訳無いです。更新頑張ってください! (2017年4月29日 23時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月29日 16時

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