【太宰治】牙をむくとき２【文豪ストレイドッグス×暗殺教室】

１９時 ページ24

太宰side


つい先日、彼女が倒れた時と同じにおいがした


迷って迷って迷って迷って


ぐるぐる迷っている者のにおいだ


アノ時も今も


だから、君も私と同じ迷い犬(ストレイドッグス)だ


同族同士仲良くしようじゃないかい


勘違いだなんていわないでくれたまえ…


A「私…なんで生きているの……」


独り言のように呟かれた言葉


うつろな瞳に、なにかに耐えるように固く握られる手


ギリギリなところで保ったか…


昨日の少年の言葉も効いているだろうね


だけどソレ以前の問題もあるかな


姐さんのことだから光の世界なんてみせてこなかったのだろう


A「貴方の言うことが本当なら…今までの私の人生は…」


そこまで言って彼女は口をつぐんでしまった


糸の切れた人形のようにそこに佇む


自分の中で決着を付けようとしているのか、彼女は微動だにしなかった


太宰「Aちゃん、独りで解決しようとなんかしないでくれたまえ。それはなんの解決にもならないのだよ」


A「・・・」


太宰「言いたいことがあれば言えば良い、今まで言えなかったことも、私が全て聞こう。私は君の全てを受け入れるよ」


彼女が頼れるのはきっと私だけ


そうでしょ？Aちゃん。


しばらくの沈黙の後、彼女はポツリポツリと話した


(可哀相なくらい、彼女は世を知らないくらい幼い)

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