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16時 ページ21

Aside

太宰「つまり、Aちゃんが”国木田キツネ”になにか命令したとしても、敦くんならその命令を吊り消せる…ってことだよね?」


A「えぇ。」


それが私の異能力の弱点


といっても、あまり気にすることではない


ただ、なんなく彼に知っておいてもらいたかった


もし、もし私が暴走した時のために……


太宰「敦くん、悪いけど彼女と2人で話したいことがあるんだ」


いつもの調子でそう言う太宰さん


中島さんはその後に続く言葉を予想したのか、そそくさと出て行った


A「最低な上司ですね」


私なりの最上級の笑顔で未だつったいている彼に告げる


くえない彼はそれはどうも、と流してきた


太宰「Aちゃん、なにか変な感じはしないかい?」


突然の質問に思わず「は?」と返しそうになった


変な感じといえばただ1つ


A「この状況が可笑しいと思います」


ポートマフィアと探偵社


もっと言ってしまえば、誘拐の被害者と加害者


その2人が街であったときのように話している


これのどこが普通だというのだ


太宰「あー私の言い方が悪かったね。気持ちの話だよ。Aちゃんの」


そう言いながら私と向かい合うように座った


真意を探ろうと瞳を見つめるが、彼の瞳からはなにもわからない


今一度、自分の気持ちを感じてみる


なんとなくは分かるけれど、それを伝える言葉知らない


押し黙っていると太宰さんが例を出してくれた


それでもそのどれに当てはまるのか見当もつかない


だから、ただ単純にわからない、と答えた


太宰「それじゃあ、今の家族に対してはなにを思っているのかい?」


母さん…中也兄…


A「とてもいい人…困ってた私を助けてくれた、救ってくれた、私に生をくれた」


一言、一言、確かめながら伝える


間違いじゃない、間違っちゃいない…


太宰「じゃあ、その家族が君の異能力を目当てに家族ごっこをしているだけだとしたら?」


冷たくのしかかってきた言葉に思わず叫びそうになる


だけど、その声は口から出ずに消えていった


A「それでも………構わない」


こぼれ落ちたのは反対の言葉


言うはずのなかった言葉


太宰「………Aちゃん、君に事実を教えよう」


そう言う太宰さんの瞳が黒く光ったのを私が気付くことは無かった

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櫻色華伝(プロフ) - うそ・・・・。結末に驚きました。夢主ちゃん、ヤバすぎる。こんな物語を書けるなんてすごいです。これからも頑張ってください! (2020年2月20日 14時) (レス) id: 4986846a43 (このIDを非表示/違反報告)
フィリア(プロフ) - この結末は予想外でした。主人公ちゃん、恐るべし (2019年4月14日 22時) (レス) id: 0a8f72cd40 (このIDを非表示/違反報告)
夢ウサギ(プロフ) - 続きが気になります!続編作って欲しいぐらいです!!これからも、素敵な物語を書いてください! (2017年9月15日 2時) (レス) id: f9a036fba6 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(オツキミ)(プロフ) - 続きがものすごく気になります!これからも、頑張ってください! (2017年7月24日 21時) (レス) id: 12832b6b45 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 三歩止さん» 成る程、理解力が無くて申し訳無いです。更新頑張ってください! (2017年4月29日 23時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月29日 16時

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